2012年11月30日

口紅の魔法は、やっぱり赤で!

赤い口紅.jpg

今日、紹介するのは南ブルターニュ大学のNicolas GuéguenとCéline Jacobに約450回の来店のチップについてのシンプルな調査です。

最初にピンクかブラウンの口紅をつけるか、口紅をつけていないウェイトレスは、お客さんの30%からチップをもらいました。一方、赤い口紅をつけると、男性のお客さんの50%からチップをもらいました。ちなみに女性のお客さんからもらえるチップは、口紅の色によって変わりませんでした。

赤い口紅をつけるだけという非常にシンプルなことながら、チップをもらうならば絶大な効果ですね。きっと営業や店員さんも使えるでしょう。そういえば、以前書いた”名刺としてのブランドロゴ”というものは、ブランドロゴのついたTシャツが効果的というものです。こちらも読んでみて下さい。



この赤色の効果は男女ともに異性をひきつけるものとして知られています。これまでさいころニュースでも、色に関する研究をいくつか紹介してきました。色の心理学については不勉強なのですが、実験で効果があるのはたいがい赤ですよねー。
やっぱり女性にモテる服の色
やっぱり男性にモテる服
オークションでは赤を使え
赤色効果の限界


また、Nicolas Guéguenは僕の好きな研究者で、これまでもシンプルで効果的な様々な研究についてさいころニュースで取り上げてきました。
バストのサイズでどのくらい誘われる?
恐るべき説得力の「自由だ」テクニック!
化粧で、男性を引き寄せる効果は?
笑顔の魔法! 5.5倍の力
魔法のタッチで売上アップ
大ボリュームで売上アップ


読んでない方は、ご自由に読んでみてください:->

(文・絵: やまざきしんじ)

2012年11月27日

フェイスブックフレンドが多いと、よりストレスを感じてる

フェイスブックのネットワーク.jpg

イギリスのエジンバラ大学のBen Marderは平均21歳の300人以上にフェイスブックの使用について調査しました。


この調査によると、より多くのフレンドがいる人はよりストレスを感じていました。これはフレンドが多いと、他人の侮蔑発言や、無鉄砲な行動、飲酒や喫煙のような書き込みを見てしまう機会が増えるためです。


また、フェイスブックでは平均して7つの社会的グループに所属しています。そして、フェイスブックのフレンドについては、55%が親子でフレンドになっています。そしてフレンドの97%はオフラインでの知り合いです。また、81%は親類とフレンドで、80%は兄弟でフレンド69%は友達の友達65%が仕事仲間とフレンドでした。

なお、ユーザの64%が元カレ、元カノとつながっていたのに対して、56%だけが現在の恋人や配偶者とフェイスブックでつながっていました


これは現在のイギリスの大学生のフェイスブック使用状況の参考データといったところでしょうか。元カレ、カノの方が、現在の恋人や配偶者よりもフレンドになっているというのが面白いですね。


この記事はエジンバラ大学の"More Facebook friends means more stress, says report"を参考に書きました。



(文・絵: やまざきしんじ)

2012年11月26日

仕事をサボる原因はなに??

なまけてる.jpg

サリスベリー大学のWayne Deckerは質問紙を使って、仕事での”さぼり”についての調査をしましたた。これは192人の男子学生、158人の女子学生、一人の性別未回答の学生からなる351人のマネージメントコースの学部生を対象として6ページからなる質問紙で調査を行いました。なお、351人のうち33人は以前マネージャークラスの仕事をしていて、74人はフルタイムで働いていた経験があります。

この調査では、仕事での”さぼり”と”遊び”など以下の7つの傾向について調査しました。
1.サボり傾向
2.仕事を遊びやゲームとみなすか
3.上司のリーダーシップの質
4.仕事の負荷
5.上司による監視
6.内発的モチベーション
7.楽しみの重要さをどのくらいとみなしているか

すると、この調査から仕事のサボり傾向は、順に
仕事の負荷が高いとサボらない (-0.54)
上司による監視が高いとサボらない(-0.42)
モチベーションが高いとサボらない(-0.34)
仕事を遊びやゲームとみなしているとサボる(0.32)

ということが分かりました(カッコ内は相関係数)なお、上司のリーダーシップはほとんど関係ないということが分かりました。

この研究では仕事を遊びやゲームとみなしているとよりサボるという結果になりましたが、別の研究ではそれほどではないという結果になっています。また、デザイナーなどクリエイティビティが必要とされる職種では、遊びの要素を入れることでより仕事の成果に結びつくという研究もあります。

また、この研究は大学生を対象としているため、比較的低レベルの仕事を対象とした調査となっている部分があります。そのためにサボらせないポイントは、「ちゃんと仕事を与えて」、「ちゃんと監視する」という少しあたりまえものになってしまっています。


この記事は以下の論文を参考に書きました。
Wayne H. Decker, 2012, "Unauthorized Fun at Work (Goofing Off): Predictors and Implications", International Journal of Business and Social Science Vol. 3 No. 5; March 2012


(文・絵: やまざきしんじ)

2012年11月22日

ブロガーのモチベーションの源泉

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コロラド大学のCarmen Stavrosituはブログを書くことの影響を研究をしました。

340人の女性のブロガーを対象として行った最初の調査では、自分についてのブログを書いている人はブログ内でのコミュニティへの所属意識が高まり、社会など外部について書いている人はブログによって自分を有能で、積極的で、自信を持たせるということが分かりました。

次に女性の大学生を対象として、106人に自分のことと、108人に科学や社会や政治などのことをブログに書いてもらいました。この時に、それぞれのブログには1日あたり50人か20人のアクセスがあるようにしました。また、あるブログにはコメントをたくさん書き、別のブログにはほとんどコメントを書きませんでした。すると、より多くコメントをもらったブロガーはコミュニティへの感覚が高まりました。また、アクセスが多いと、より自分の影響力を感じます。


現在は、ブログを書いている人がとても多いのですが、このようにブログにはアクセス数やコメント数から書き手へのフィードバックが行われているようです。また、コメントとアクセス数は、全く違う影響を与えているんですね。たしかに、これは自分のやっているブログでも分かります(コメントは名前が書いてあるので)

また、Stavrosituは、女性ブロガーを対象にしたのは「女性の方がよりブログをやっており、よりブログを続けているから」という理由です。このあたりは、女性の方がブログによって社会への影響を与えている感覚をより持てるからかもしれませんね。


この記事はペンシルバニア州立大学の”Comments, traffic statistics help empower bloggers”を参考に書きました。


(文・絵: やまざきしんじ)

2012年11月20日

「12/15朝 ブルーオーシャンを目指す!小さな会社のためのビジネスアイデア発想塾」を開催します!

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宣伝で失礼します。表題のようにビジネスのためのアイデアのワークショップを開催をいたします。ご興味の方はご自由に参加ください!



今回開催するのはあなたの新しいビジネスアイデアを作るワークショップです。

クリエイティブな発想は才能のある人だけしかできない…と思ってませんか??
実は、テクニックとトレーニングで誰でも発想力を高めることができます。


凡庸なビジネスアイデアから抜け出し、みんなが「なるほど!」「これは気づかなかった!」と驚くクリエイティブなビジネスアイデアを思いついちゃいましょう!

ワークショップでは、クリエイティブシンキングのテクニックを取り入れて、あなたの新しいビジネスアイデアをどんどん考えてもらいます。

「こんなアイデアばかばかしいかな?」
「これはつまらないアイデアだな…」

そんなことは気にしなくても大丈夫!
とにかくたくさんアイデアを出すことが大事です。
そして、その後でビジネスアイデアをグループでシェア&ディスカッションを行います。
人からの意見を取り入れることで新たな視点を取り入れアイデアに磨きをかけていきます。

アイデア出しは苦手、という人もご安心ください!
クリエイティブな発想をするためのウォーミングアップを行います。

ワーク中にも必要な方には
アイデア出しのためのサポートを行います(でも考えるのは自分です!)

個人ワークとグループワークで、楽しくそして斬新なビジネスアイデアを作りましょう!!

新しいサービスを考えたい起業家の方、ぜひご参加ください。

《講座内容》
・クリエイティブなサービスってどんなもの?
・クリエイティブな発想を生み出すために必要な3つの要素
・早速ビジネスアイデアを考えてみよう!(個人ワーク)
・ビジネスアイデアをグループでシェアしよう!(グループワーク)
・もう一度がんばってビジネスアイデアを考えてみよう!(個人ワーク)
・もう一度ビジネスアイデアをグループでシェアしよう!(グループワーク)
・今日から1週間以内にやるべき行動を決めよう!(個人ワーク)

《講師紹介》
山崎 有紀子(心理学のさいころ)
http://www.facebook.com/yukiko.yamazaki.39
アカデミックな心理学の知識をベースに「おとなの学び」をサポートするサービスを提供しています。

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愛知県内の複数の大学での非常勤講師を経て、心理学のさいころとして独立。
現在は、

・心理系大学院受験対策塾プロロゴス主宰
・一般向け心理学セミナー「さいころセミナー」講師
・心理学ニュースサイト「さいころニュース」運営
などで活動しています。
・心理学で実証されたクリエイティブシンキングのテクニックをとりいれた「クリエイティブシンキング」講座はさいころセミナーの定番講座になっています。

《開催日時》12月15日(土) 10:00-12:00

《開催場所》コネクト栄セミナールーム
       名古屋市中区栄3-23-11 モリシマビル4階
       地図:http://yahoo.jp/kd-U4E
       (地下鉄名城線 矢場町駅5番出口から西へ徒歩8分)

《受講対象者》
・会社経営者
・個人事業主の方
・独立準備中の方

《定員》
20人
 ◎講座の最初に、参加者の皆さんに自己紹介と自分がクリエイティブだと思う人(またはサービス・商品)を発表してもらいます(1分程度)。
 当日考えていただいても結構ですが、お時間のある方は事前に考えてきてください。
 (例:「スティーブ・ジョブズ」「iPad」「ルンバ」などなど)

《受講料》
 2,000円(資料代込み)
 (コネクト栄会員の方は参加費無料)

《持ち物》
筆記用具と子どもの心

ご興味のある方は
info あっと prologos.jp
までメールください!よろしくお願いいたします!

(文: 山崎有紀子)

posted by さいころ at 16:03| Comment(0) | TrackBack(0) | セミナー・イベント

2012年11月16日

ズームイン・メソッド


先日、名古屋ライフハック研究会でズーム・メソッドの発表をしてきました。今回はこのズームメソッドについてズームイン・メソッド中心に説明します。


基本的なポイントは、対象との心理的距離が大事ということです。特にポイントは対象との心理的距離が近すぎると、批判的志向や創造的な志向ができなくなるということです。あ、もうほとんど書いちゃいました...

例えば”箱と自分から脱出するクリエイティブ思考”という記事では、問題文に「高い塔から逃げる囚人を想像してください」と書く代わりに、「あなたは」と書くとパズルの正解率が落ちることを述べました。また、”社内でのより良いアイデアの出し方”という記事では、自分のアイデアに思い入れがあるために、より創造的なアイデアを出しにくいということを書きました。つまり、人は物事との距離が近いと、創造的になれないのです。

目の前からみる.png

このように対象との距離が近いというのは全体が見えないということも意味しています。以前書いた”ストーリーを売れ: ”入り込んで”説得する”という記事では、ストーリーを語ることで相手はそのストーリーにハマりこんでしまって説得されやすくなるということを書きました。


つまり、相手を説得したい時には相手と対象との心理的距離を詰めること、そして物事の全体を引いてみせていたものを、より詳細なストーリー、数字を入れて、より具体的により近くに見せるのです。

中くらいからみる.png

これがズームイン・メソッドです。相手の視界に対象を近づけて全体像から意識を逸らして詳細な部分を意識させることで、相手の創造的な思考力や批判的な思考力を奪って、説得をするのです。以前に書いた”カリスマの3つのテクニック”のうちの2つのテクニック、私たちで語る、結果をイメージさせるストーリーで語るというのも、まさにこの手法ですね。


一方で、私たちはこのようなストーリーがあったら少し引いて見るように気をつけなければなりません。この遠く見るためのズームアウト・メソッドについては、また別の記事で書きます。

遠くからみる.png


(文・絵: やまざきしんじ)

2012年11月14日

フェイスブックの書き込み術

11/9にタスクールさん「自分のソーシャルネットワークについて考えてみようワークショップ ちゃんと使いこなしてますか?みんなで考えてみませんか?」というイベントを開催しました。

この時のことをポイントだけまとめておきます。ちなみに今回のネタは主にフェイスブックを中心としています。そして、全然心理学ではありません^^;;


ワークシフトという本が流行っていますが、ダニエル・ピンクが2005年に「ハイ・コンセプト」で書いていたように、これからは「創造する人・共感する人」の時代です。

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農夫の価値は19世紀初頭の肥料の輸入によって低下し、工場労働者の価値は20世紀の大規模工場や機械化によって低下しました。ナレッジワーカーの価値も、IT化によって急速に失われていくでしょう。その上で、来るのが「創造する人・共感する人」の時代です。

ソーシャルネットワークの使用もこの2つを考慮しないではいられないというのが今回の主張です。



この図は専修大学の山下清美先生がブログについて書いたフレームワークです。このフレームワークを使って、ソーシャル・ネットワークへの書き込みを見てみましょう
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ちなみにソーシャルネットワークに投稿する風景や子供やペットの写真は、自分志向・心情。外部のブログへの言及や事実の提供などは他人志向・事実。「鈴木さんとご飯一緒にしてきました」とか「山田さんのイベントに参加してきました」というのは他人志向・心情とします。ちなみにイベント参加は事実ですが、実際にはそこには「イベント参加して楽しかった」というようなことが入っているからです。


この4つの軸で書き込みを分類すると、多くの人は3つの書き込みタイプに分けれられます。

・ハイタッチ型
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心情を主につづっているタイプです。他人との絡みだけでなく、意外と自分のことも書いていて、例えばお昼にお茶しにいったといったことも書いています。ただし、他人との絡みと自分の話は1:1程度というのが黄金比率のようです。

「この人、他人が興味持たなさそうな、自分のことばっかり書いているなー」ということでも、多少は書いていった方がいいわけですが、最大のポイントはフェイスブックにいる友人たちとのからみです。「本田さんと一緒に釣りにいってきました!」ということをよく書いている人は、他人からイイネ!やコメントもよくされており、またタグ付けされることもとても多くなります。

・コンテンツ型
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自分でブログをやっている人でよく見られます。他人とのハイタッチなども多少をしていますが、自分の主力コンテンツであるブログへのアクセス流入を狙っているタイプです。アクセス数の多いブロガーでもフェイスブック上のコメントなどはあまりつかないのですが、その分、ブログを主戦場にしていると言えます。本来はハイタッチ型と組み合わせることができそうなのですが、何故かそのような人はほとんどおらずブログ重視のコンテンツ型か、ソーシャル・ネットワーク重視のハイタッチ型にわかれていました。

・タコツボ型
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夕飯のことやペットのことなど、自分の心情を綴っています。ただ、他人とのからみはあまりないので、どちらかというと日記ブログのように淡々と日常を書いているという感じです。あまり人とのからみがない上に、ブログなどへのアクセス流入もないので、仕事で使っているという観点ではあまりよくないモデルです。


ちなみに仕事をしようとする人の場合は、ハイタッチ型かコンテンツ型のどちらかを狙っていくことになります。


ハイタッチ型は、他人との関係をした書き込みがソーシャル・ネットワーク上では大事なポイントです。といっても、結局これはオフラインで関係をしたことをオンラインに持ち込んでくることが多いです。逆にオフラインを重視している人は、オンライン上にも書き込みをすることで他人に自分の価値を伝えることができます。


コンテンツ型の場合はうまく戦略を練らないといけません。なぜなら、コンピュータの処理能力の向上に従っていろいろなことが自動化されてしまうからです。

例えば、現在は、紹介型のブログがたくさんあります。これは手間をかけない割にかなりアクセス数を稼げる方法でたくさんのアフィリエイトサイトがありますが、そのうち"Google まとめ"のようなウェブサービスが出てきて終了するかもしれません。あくまでも自分独自の価値を上手くつけていかないといけません。

ブログでは以下のような分類があると思いますが、どこがコンピュータの処理能力の影響を受けづらいか、競合が少ないかを考えていかないといけないわけです。
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11月9日のイベントでは他の内容についても触れましたが、主な内容を簡単に紹介してみました。

(文・図: やまざきしんじ)

2012年11月01日

透明性の錯覚

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他人は、あなたが思っているほどあなたの心を読み取れません。

ほとんどの人は、スピーチすることが嫌いです。スピーチについて考えると、手のひらに汗をかき、胃がしめつけられてしまいます。

スピーチでは、観衆があなたを見つめていて、戸惑ってしまいます。そして、観衆はあなたの困惑に気づいてしまいます。

でも、本当に気づかれるのでしょうか?私たちは、内面ではとても戸惑って神経質になっていても、他人は表情やスピーチや他の振る舞いから何かを読み取ることができるのでしょうか?

これを実験で確かめると、面白いことに気づきます。

SavitskyとGilovichの2003年の即興のスピーチをするという実験で、被験者は自分の心配を評価して、観衆の評価と比較しました。


この実験から自分が他人にどのくらい心配しているように見えるかを、人は過剰に見積もる傾向があるということが分かりました。この実験の結果は、他人が実際よりも多くのことを外面から読み取っていると考えていることを示しています。

GilovichとSavitskyの1999年の研究では、他人は、実際よりもより自分の嘘に気づき、マズイ飲み物を飲んだ人はよ気づかれ、舞台に上げられた人は観衆がより自分を見ていると思うのです。


このことは、簡単なことを教えてくれるかもしれません。スピーチについての研究すると、自分が感じているほど他人には神経質には見えないということを話す人がいます。このような人はよいスピーチをすることができます。これは、自分の緊張によって、スピーチがひどくならないからです。



・歌のリズム

心理学者はこれを「透明性の錯覚」(illusion of transparency)と呼びます。透明性の錯覚というのは、自分たちの感情が他人には透けて見られてしまう、もしくは実際に思っているよりも透けて見られれてしまうと感じるというものです。

これを確認するには、何か有名な曲のリズムでトントンと机を手で叩いて、それが何の曲かを友達にあててもらえばいいでしょう

Newtonの1990年の博士論文で、この実験をした時に人は約50%の相手が曲を分かると思いました。しかし、実際にはとても曲を当てるのは難しく、3%以下の相手にしか分かりませんでした。

使った歌は「ハッピーバースディ・トゥ・ユー」と「星条旗よ永遠なれ」なので、とても有名な曲だったのは間違いありません。

実際にこのテストをすると、あまりに簡単な曲のはずなのに相手が分からないことに驚くかもしれません。あなたにとってはコードなしでリズムだけを手で叩いていているのですが、相手はそのコードを聞いていないことを忘れているのです。

同じようなことは、文書でのコミュニケーションでも起こります。あなたが、完全に分かりやすい文章でメールを書いても、言葉の解釈は様々なので、時々その意図が相手に伝わるまでに意味がねじ曲げられたり、変わってしまったりします。

このことはもちろん、私たちの考えや感情は他人に全く伝わらないということではありません。しかし、透明性の錯覚は、日常生活においてかなり影響を与えており、常に意識する価値があります。

「しかし、私がどう感じているかは明らかだと思うんだけど...」
こんなことがどうして起こるのか教えてくれます。


この記事はPsyblogの"The Illusion of Transparency"を翻訳したものです。

(※文中の太字は訳者によります)

(翻訳・絵: やまざきしんじ)