2014年10月24日

【カリスマの科学第1回】リーダーにカリスマ性は必要か

問題 あなたはリーダーにカリスマ性は必要だと思いますか?
1.YES  2.NO


 とあるIT企業の「カリスマ」社長は、その圧倒的な存在感で社員たちを魅了し、職場は活気に満ち溢れています。社員たちの仕事に対するモチベーションは高く、業績も好調。そして今春、高齢者向けソーシャルネットワークサービスを新たにリリースしました。このサービスに対する社長の思い入れは強く、広告宣伝費も潤沢に使って全社を挙げて大プッシュしています。しかし、ネット利用がそれほど多くない高齢者にソーシャルネットワークサービスが普及するとはちょっと思えません。社員一丸となっての努力も空しく、このサービスは1年半後に静かに撤退しました。そもそも企画の段階で、このサービスに反対する人はいなかったのでしょうか。

  上記のIT社長(もちろん架空の例です)は、典型的なカリスマリーダーの例であり、カリスマの光と影を表しています。つまり、社員を活気づけ、より高いパフォーマンスを促進する光の部分と、集団をカルト化し、リーダーの方針に疑うことなく従わせてしまう影の部分がカリスマには共存しているのです。
 この影の部分を危惧し、「カリスマ性はリーダーには必要ない」という人もいます。「経営の神様」ドラッカーも「リーダーにカリスマ性はいらない」と著書の中で述べています。

カリスマ性と包丁は同じ?
 しかしそれでもやはり「リーダーにカリスマ性が必要か」と問われれば、その答えは「YES」です。 なぜならばカリスマ性は包丁と同じ「道具」にすぎないからです。包丁はおいしい料理を作るための大切な道具の一つです。カリスマ性も高い業績を達成するために社員のやる気とパフォーマンスを高めるために有効な道具と言えます。
 井田(1998)は、上司のカリスマ性と部下の仕事に対する意欲との関係を調査しました。その結果、ハードだけどやりがいのある仕事を目の前にしたとき、通常の場合部下たちの労働意欲は低下し心理的ストレスは高くなりますが、直属の上司のカリスマ性が高いと、こういった仕事に対する意欲も高まり、心理的ストレスも低くなるということが分かりました。
 このように考えると、やはりリーダーにとってカリスマ性は必須アイテムと言えるでしょう。
 包丁はおいしい料理を作るための素晴らしい道具にもなりますが、使い方を間違えれば人を傷付ける恐ろしい凶器にもなります。でも、「人を傷つけるかもしれないから、包丁の使い方を覚えるのはやめよう」と言う人はいるでしょうか。
 カリスマ性も使い方さえ気をつければ、周りの人の潜在能力を最大限に発揮する機会とやる気を与えてくれる優れた道具となります。
 ぜひ皆さんもカリスマ性という道具を使いこなし、周りの人を輝かせてください。

問題の答え
1.YES リーダーにカリスマ性は必要である。
理由
 カリスマ性のある上司は、部下をやる気にさせ、想像以上のパフォーマンスを可能にするから。


<参考文献>
井田 政則 1998 カリスマ的リーダーシップー共分散構造モデルを用いてー
立正大学文学部論叢108,73A-87A

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posted by さいころ at 08:32| Comment(0) | TrackBack(0) | カリスマの科学
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