人は恋をすると、相手のことしか見えなくなり、周りを冷静に判断することができなくなると言うが、デラウェア大学のSteven Mostらは、嫉妬を感じると知覚的にも「見る」ことができなくなると指摘する。
まさに「恋は盲目」ならぬ「嫉妬は盲目」である。
Blinded by Jealousy?
Emotionの4月号に掲載されるこの研究によると、女性は嫉妬を感じると不快な情動イメージに気が散って、ターゲット刺激を見つけることができなくなる。
うつ病や心身症など、人間関係から生じる情動は、精神的健康や肉体的健康に影響することは随分前から知られているが、文字どおり「見る」ことにも影響を及ぼすようだ。
この研究では、恋愛中のカップルを対象として実験室で研究を行った。
カップルは、パソコンのディスプレイが目の前にある机の前に隣あって座り、男女別々に課題を行った。
女性は、急速に流れる映像(時々不快な映像も混じっている)からターゲット刺激を見つけ出さなければならない。
コレに対して男性は、スクリーン上に映し出される映像の魅力度を評価しなければならない。最初は風景が呈示されるが、途中から実験者からのアナウンスとともに独身女性の映像に切り替わる。
課題終了後、女性は隣でパートナーが他の女性の魅力評価を行っていることについてどれぐらい気がかりだったか(つまり嫉妬していたか)を尋ねられた。
この結果、女性が嫉妬を強く感じているほど、自分の課題がうまくできず、ターゲット刺激を見つけ出すことができないことが示された。
今回の研究では女性側の嫉妬と視覚の関係のみを調べたため、男性も「嫉妬は盲目」になるのかどうかは今後の研究で明らかになるだろう。
2010年04月15日
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