2010年04月30日

睡眠は学習効果を高める

なぜ私たちは眠るのだろうか?そして、夢を見るのはどうしてだろう?
進化論的に考えると、眠っている状態は非常に危険だ。睡眠中には意識がないため、他からの攻撃に対して無防備となる。

睡眠は免疫力を高めるが、しかしこれは体を横たえ休憩するだけでも十分だ。

しかし、睡眠にしかできない機能もある。
それは、昼間に経験した情報を、既に持っている情報と統合する脳の働きを促進することだ。
睡眠中のこの脳の働きによって、私たちは学習効果を高めることができるのだ。


Naps and Dreams Boost Learning, Study Finds

Current Bioligyに掲載されるこの研究では、99人の実験参加者はパソコン上で迷路学習を行う。その後、5時間後に迷路学習を行い、1回目との成績を比較した。
実験参加者は、2回目の迷路学習まで起きて待つグループと、90分の仮眠を取るグループに分けられた。

この実験の結果、休憩中に起きて待っていたグループは、最初よりも26秒成績を短縮することができたが、仮眠を取ったグループの成績はさらによく、1回目よりも188秒も早く迷路学習を行うことができた。

さらに驚くことに仮眠を取った参加者の中でも、仮眠中に夢を見たと報告した人の成績はさらに良かった。

この研究を行ったハーバード医学校のErin Wamsleyは、参加者にどんな夢を見たか質問したが、夢の内容は多岐にわたり、迷路学習と関連のある内容(迷路学習で使用されていた音楽や、再テストの成績予想など)もあれば、少し脱線したような内容(コウモリの洞窟を探検する夢など)もあった。

 wamsleyは、夢そのものが記憶を向上させるとは考えていない。 それは単なる脳が処理を行っている時に生じる副産物である。
 脳は、私たちが眠っているときに、昼間に経験した出来事を、既に確立している記憶ネットワークに統合しているのだ。

 この研究結果に基づいて考えると、勉強するのに最適な時間は睡眠直前かもしれない。
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/37466591
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック