<画像はflickrより>
ロバート・チャルディーニといえば、『影響力の武器―なぜ、人は動かされるのか』で有名な社会心理学者ですが、ノア・ゴールドシュタインとスティーブ・マーチンらとともに執筆した『影響力の武器 実践編―「イエス!」を引き出す50の秘訣』は、日常生活で使える実践的な説得技法を紹介するベストセラーである。
ここでは、その中でももっとも使える説得技法を5つ紹介する。
1.先手を打つ
これまでの研究によると、先に自分のために何かをしてくれた人からの要求は受け入れやすい。
以前自分の仕事を手伝ってくれた同僚が仕事に忙殺されていたら、きっと手伝いたくなるだろう。
また、きわめてパーソナルに思える依頼も説得力がある。調査票に手書きの付箋をつけて、受取人が記入すべき箇所にコメントを書いておくと、回収率は2倍になる。
2.選択肢は少なく
選択できる商品数やサービスの数が多すぎると、時に人はイライラしてしまう。退職プランが多い会社よりも少ない会社の方が入社希望者は多い。
3.自分の不利益もアピールする
説得にとって信頼は重要な要素だ。
信頼されるためには、商品やサービスについてのメリットを述べる直前に、それらについての些細な弱点を認めるとよい。
4.損失は獲得よりも説得力がある
商品やサービスを買った場合のメリットを伝えるよりも、そうしなかった場合の損失を訴えるほうが効果があることもある。
2003年、オールズモビルは広告費や商品開発費を減らしたにも関わらず、売り上げを伸ばした。
この理由は、オールズモビルを傘下に置くGEが、オールズモビルでの今後の新車開発を中止することを発表したことにある。このニュースを聞く前には特に欲しいとは思わなかった人も、今買わないともう二度と手に入らないかも、と感じたのだ。
5.すでに目標に向かって進んでいるように思わせる
スタンプカードを提供するガソリンスタンドは、「8個スタンプがたまると1回洗車無料」ではなく、2つ既にスタンプが押されているカードを渡し「10個スタンプが貯まると1回洗車無料」とすることで、顧客を2倍にすることができる。
彼らの研究は、一見個人的才能に思える「説得力」を、ルールとして公式化し誰でも学習可能なスキルに変えた。まさにこれは社会科学の福音である。
<元記事は5 Ways to be Persuasive>
影響力の武器[第二版]―なぜ、人は動かされるのか
posted with amazlet at 10.05.26
ロバート・B・チャルディーニ
誠信書房
売り上げランキング: 640
誠信書房
売り上げランキング: 640
おすすめ度の平均:
久しぶりに夢中で読んだ本トリビア集
期待してた以上におもしろかったです
できれば自分の周囲には読ませたくない
カチッ・サー