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ビジネス書では「過去について考える時は左を見て、未来を考える時は右を見ることが多い」などと書かれることがあります。また、同様に「嘘をつく時には右上を見る」などを書かれることもあります。また、「見ている方向で、聴覚や視覚などどのような感覚を考えているか分かる」などとも言われることがあります。
このことはNLPという擬似心理学(?)の”アイ・アクセシング・キュー”で説明されているものです。もちろん、NLPの中にも役に立つ概念もあるのですが、基本的には提唱者の経験上/思考上の概念なので役に立たないものもいくつか含まれています。
ちなみに、この”視線で考えていることが見抜ける”というものも、その役に立たないもの一つで、これまで様々な論文によって間違いが指摘されているものです。
そもそも視線で考えが見抜けるという主張は「過去について考える時は左を見て、未来を考える時は右を見ることが多いがこれは人によって癖があるので、その癖を捉えなさい」といったことになっていますが、視線の方向だけで相手の考えを見抜くということはほとんど無理です。
このような相手の視線の癖を捉えるような暇があったら、そんな役に立たないことをするよりも。もっと話している内容、話すタイミング、相手の表情などに気を配る方が有効です。
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