
ロシアの心理学者ブルーマ・ツァイガルニック(Bluma Zeigarnik)が、ウェイターは注文を受けている間だけオーダー内容を覚えていて、オーダーを出し終わると注文内容を忘れてしまうことに気づきました。ここから、人は完了したことよりも未完のことをより覚えているということをツァイガルニック効果と言います。
ちなみにツァイガルニック効果をググってみました。よく出てくるパターンは以下の2つでしょうか。
1.ミステリアスなものに惹かれるのはツァイガルニック効果のため
人は「完全に理解できるものよりも分からないものやミステリアスなものに惹かれる」ことの論拠としてツァイガルニック効果を上げています。個人的には情報エントロピーの方がより確からしい仮説だと思いますが。
このツァイガルニック効果の解釈は定説なんでしょうか??うーん。
2.すごくいいシーンでCMにいくのはツァイガルニック効果のため
民法ではCMを見せることが大事なのでいいシーンの直前でCMに行くだけだと思うのですが、何故ツァイガルニック効果が出てくるんでしょうか。もちろん「未完のものは覚えている」というのはあります。
「CM前のエピソードを忘れさせないために、いいシーンの途中でCMに行く」という仮説は、「CMの視聴率をより高めるために、いいシーンの途中でCMに行く」という仮説よりもかなりお粗末な仮説だと思います…
実際のツァイガルニック効果は応用が難しいと思います。他者に対しては、情報の提供を途中で止めて興味を惹くといった応用でしょうか。どこまでがツァイガルニック効果と言えるのか難しいところですが。
自分に対しては、物事をまずはじめるということが一つの使い方です。まず物事をはじめてしまうことで、一度中断してもそのことが頭に残っていて、残りを続けやすくなると言われることもあります。これは一貫性でも説明もできます。このこととは逆に、集中するために余計なことをやりかけのままにしないという応用も考えられます。
実際には、これらをツァイガルニック効果と言っていいのか悩むところですが…
ともかく、人は完了したことよりも未完のことをより覚えていることを覚えておきましょう。
(文: SY)
これは itchysさんの画像を使用しております。