2011年04月06日

嘘っぱちに惑わされないための10の方法

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(c) ユーヤ写真素材 PIXTA


世の中には嘘っぱちがたくさん流布しています。
「アポロは月に着陸していなかった..」
「ゲーム脳の恐怖..」
「水にありがとうという文字を見せると、水の結晶がキレイになる..」
等々。

他にも、量子論や相対性理論からスピリチュアルなこと(引き寄せの法則とか)を主張してみたり、マヤ暦によると2012年に地球が滅亡してみたり、といったことが言われています。

こういった嘘っぱちにダマされないための入門書としては、”と学会”で有名な山本弘の”ニセ科学を10倍楽しむ本”がなかなか読みやすくてオススメです。


この本からニセ科学にダマされないための10の方法を書いてみます。なお、10の方法は本よりの引用ですが、その説明は独自に書いています。


1.話の出どころを確認する

本当の話かどうかは出どころをチェックする必要があります。誰かが本で書いていたり、それをさらに引用した本があちこちにあったからと言って真実とは限りません。

複数の情報源から入ってきた情報でも、その根っこがつながっていたらあまり信ぴょう性は高まりません。嘘をついて騙す人や、不安を煽って自分の商売(講演業とか、カウンセリングとか、なんとか健康水とか、なんとかブレスレット)をしようとする人も多いです。


2.誰が言っているかを調べる

どこかの大学の教授が言っていたり、歴史上有名な人が言っているからといって真実とは限りません。よく言われることですが、専門以外の分野でのコメントは怪しいと考えていいです。専門の領域についても複数の専門家が言っているならばいいのですが、一人だけが言っていることは、例えその人がテレビでよく見る人だろうとたくさん本が売れていようと、疑った方がいいです。

歴史上有名な人(例えばユング大先生)が言っているからといって、専門外のこと(例えば物理現象)についてそれまでの常識と違うことを言っている場合(例えばシンクロニシティという現象があること)は疑ってかかった方がいいです。

また、引用の場合だと、引用者が文章の一部を引用することで意味を変えることができるので要注意です。これは引用者が意図している場合もありますし、二次引用などで意図せずにやっている場合もあります。

参考: 権威に訴える論証(wiki)


3.キーワードに注目する

よく分からない専門用語やキャッチーな言葉には要注意です。「波動」、「高次元」、「マイナスイオン」、「タキオンパルス」などがありますね。また、「量子論」、「相対性理論」などは有名な言葉ですが普通の人は詳細をよく知らないのでよく使われる言葉です。

難しい専門用語があるからといって真実であるというわけでありません。


4.反論に目を通す

最近はインターネットで様々なニセ科学や嘘っぱちに批判が書いてあります。批判を検索して、オープンな気持ちで読んでみましょう。


5.数字に注目する

数字が計算できる場合は数字を計算しましょう。また、実際の統計に当たるのも大事です。残留農薬や凶悪犯罪が起こっている、などは数字の計算や統計にあたることで本当のことがなんなのかを見抜くことが出来ます。


6.理屈で考える

「どうしてそんな大規模な陰謀がバレていないのか?」、「どうしてそんな新理論を専門家が取り上げていないのか?」、「どうして他のメーカーが参入していないのか?」といったことをよく考えてみると嘘と本当を見分けることが出来ます


7.実験をやってみる

試せることならば実験をしてみましょう。


8.自分の目を疑う

自分の目で「・・・のように見える」ということだけで真実を決めることは出来ません。他にもいくつでも仮説を立てられます。例えば、「あまりにも変な形の雲なので、地震雲にしか見えない」という人は、いつも雲を見て明確にイメージしているのか、上空の複雑な風の具合でそういった雲が出来る可能性はないのか、といった他の可能性を考える必要があります。

人間にとって視覚はあまりにもビビッドなので視覚で見た情報を信じてしまいがちですが、それだけが真実ではありません。ニュース番組の中のインタビューはただの一人の意見にすぎず、他の全てを代表するわけではないのですが、それでも強い印象を受けてしまいます。


9.願望と事実を区別する

”キレる子供はゲーム脳のせい”や”殺人者の家から大量のエロビデオがあった”などのように、人は事件や物事などについて、自分が「こうありたい」と思っていることには敏感に反応してしまいます。いわゆる”情報から自分に都合のいい情報のみを集めてしまう”という確証バイアスですね。この確証バイアスは自分にもありますが、同様に取材者や著者にもあります。

自分の願望に合致する理論は、受け入れやすいのでより疑うという傾向を持っていた方がいいです。

参考: 確証バイアス(wiki)確証バイアス(文教大学のページ)


10.正しい科学知識をつける

健康食品などでよく「身体の必須なんとかを含んだもの」をすりつぶして食べるといったことがありますが、特に意味がなかったりすることも多いです。また化粧品に何かそれっぽいものを加えたところで「なんかいい気がする〜」という効果しかないものがあります。

少しづつでも科学の知識をつけていくことが大事です。


いかがでしょうか?


(文: SY)

この本は(ブルーバックス読むような)中学生〜高校生にも読めるし、大人にも読めるという本です。初めの一冊にオススメ。
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posted by さいころ at 11:03| Comment(0) | TrackBack(0) | その他
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