2011年05月24日

蟹の殻の心理学

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(c) moeyan写真素材 PIXTA


昨日、カニを食べました。帰り道に「カニって意外とお腹がいっぱいになるよね」って話で盛り上がっていました。あまりカニを食べないので「どうなのかなー?」と思ったのですが、たしかにカニはお腹がいっぱいになる気がします。

カニについてはお腹がいっぱいになる要素は3つ考えられます。

1.殻つきのカニは、意識して食べないといけない
2.殻つきのカニは、食べるのに時間がかかる
3.殻つきのカニは、食べると殻が残る

1については、殻つきのカニは殻をむくなどの手続きが必要で、意識的に食べないといけないです。無意識に食べると満腹感が増えにくいですが、殻をむきながらなどのように意識して食べないといけないものは満腹度が増えます。


2については、1にも関連していることですが、殻つきのカニは食べるのに時間がかかります。時間がかかると、より満腹度が増すと考えられますが、この件については証拠となりそうな研究がみつかりませんでした。ですので、この件は実際には影響がないかもしれません。


3については、カニは食べると殻が残ります。”そのひとクチがブタのもと”という本では、カニでなくチキンを使った実験が載っています。この実験はスーパーボールの日にアメリカで行ったもので、学生をスポーツバーに招待して無料のチキンウイングを提供しました。そして、あるテーブルでは定期的に骨を片付けて、もう一方のテーブルでは骨を片付けないということをしました。この結果として、骨を定期的に片付けたテーブルでは平均して一人あたり7本のチキンを食べ、骨を片付けていないテーブルでは5本のチキンを食べました。つまり、人は自分が食べたあとのものを見ることで、満腹度が増すのです。


このように、殻つきのカニは満腹度を増す要素があるものです。殻つきのカニだけでも心理学の実験がいろいろできそうです。ただし、カニでやるとお金がかかるので、殻つきエビあたりがオススメです。


(文: SY)

食べ物と心理学を考えるにはこの本がオススメです。社会心理学の応用とはどういうものか、というのが分かる良書です。
そのひとクチがブタのもと
ブライアン・ワンシンク
集英社
売り上げランキング: 211700

posted by さいころ at 18:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 消費者行動
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