2011年06月17日

タレントの魅力と広告の関係

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(c) とらじろう写真素材 PIXTA


魅力的なタレントが広告をしても、人はその広告には興味を持っても商品には興味は持たないといったことが言われることがあります。これは本当でしょうか?それでは、一体何故、広告には魅力的なタレントが出てくるのでしょうか?

心理学的にはハロー効果として知られるものがありますが、今回は宣伝するタレントの魅力と広告について考えてみたいと思います。


オランダのティルバーグ大学のJanne van DoornとDiederik A. Stapeが研究をしました。現時点ではプレスリリースだけなので詳細は不明ですが、この研究によると「魅力的な人が、商品を宣伝する時は、魅力的な人と魅力的な商品が同じようなイメージを持つ時に、消費者は特定のファッションに反応したり、広告された商品に影響を受ける」ということです。


これは販売のための広告でなく、イメージのための広告でよく行われている手法です。例えばクリスチャン・ディオールやバーバリーなどは、魅力的な男女やタレントが商品の広告を行っています。これはブランドイメージや知名度を向上させる広告であって、直接商品を売る広告でないと言えます。

例えば、バーバリーの宣伝では、レディー・ガガでなく、エマ・ワトソンが広告するのは、バーバリーのイメージとタレントのイメージから必然に思えます(エマ・ワトソンは降ろされましたが…) ブランドイメージを向上させる広告でなく販売するための広告でも、チープな商品にはチープなイメージを持つタレントを、高級な商品には高級なイメージを持つタレントを、と言われていますが。


では、「魅力的な人が商品を宣伝した場合には効果があるのか?」という問いについては、この研究はどう答えているのでしょうか。

その答えは、「場合によって、効果があったり、逆効果だったり、効果がなかったりする」となっているようですが、どちらかといえばポジティブな答えのようです。

タレントが商品を推薦するような場合は、美容に関する商品については、美容の商品で自分が美しくなれると思っているならば広告の効果があるようです。

また、タレントが商品を推薦せずに、タレントはあくまでもイメージとして現れてから商品の広告をするというものは効果があるようです。


最近は、ネット広告が増えており、直接販売を意識した広告へシフトしつつありますが、今後はネットでの動画広告が増えていくと同時にイメージ広告が増えていくでしょう。ネット広告では、テレビと違って見る人によって違う広告を出して反応率を調査しやすいため、様々な研究が増えていくのではないかと思います。今後はこのような広告に関する研究もより盛んになるのではないか、と期待しています。


この記事は以下の記事を参考にしました。
University of Chicago Press Journals (2011, June 16). Sexy doesn't always sell: When do beautiful models help?. ScienceDaily. Retrieved June 17, 2011, from http://www.sciencedaily.com/releases/2011/06/110615120351.htm

元論文はこちら(ただし、まだリンク先はないようです)

(文: SY)
posted by さいころ at 10:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 消費者行動
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