2011年06月23日
音楽のイメージはブランドにすぐ効く!
(c) SHUN|写真素材 PIXTA
スペインのバスク大学のVanessa Apaolaza-Ibáñezらが、広告で音楽を使われた時に印象やブランドイメージにどのような影響があるかを調べました。
これはスペインの15歳から65歳の540人を対象として、架空のブランドのミネラルウォーターの宣伝をラジオで行い実験しました。
以下のような音楽を使って4つの実験をしました。全てで同じ文章とブランド名を使いました。なお、被験者の記憶に影響がないように歌詞がないインストゥルメンタルの曲で行っています。
1.一切、曲なしで宣伝を行った
2.有名でない曲(115bpsのアップテンポな曲)で宣伝を行った
3.有名でない曲(70bpsのスローテンポな曲)で宣伝を行った
4.ルイ・アームストロングの"What a Wonderful World"を使って宣伝を行った
ここで、感情的な反応は1の曲がないものよりも、2〜3の曲があるものの方が有意に高いという結果になりました。さらに4の有名な曲を使ったものが一番高い結果になりました。
また、ブランドのイメージについても、2〜4でそれぞれ異なることが分かりました。2のアップテンポの曲は、”若々しく、活動的で、スポーティーな”イメージを、3のスローテンポな曲は”柔らかく、ヘルシーで、リラックスできる”イメージをブランドに持つということが分かりました。ちなみに4の”What a Wonderful World”も3とほぼ同様のイメージですが、こちらの方がより強いイメージを持たせることが分かりました。
この実験では、音楽はすぐに被験者に影響を与えるということを述べています。もちろんラジオのCMなので、ブランドのイメージは言葉と音楽でしか与えられませんが、音楽の影響が大きくて、すぐに与えるということを示しています。
これはラジオでのブランド広告の実験ですが、もちろんテレビCMにも当てはめることができますし、また、実店舗においても同様のことが言えると思います。109ブランドやヒップホップ系のお店では、大音量でイメージを流していますが、意外とお店では音楽でブランドイメージを強めるということは行われていないのではないでしょうか?残念ながら、たとえ音楽がかかっていても、FMや有線を流していたり、店主の趣味で音楽をチョイスしていることが多いです。
人は音楽とブランドをすぐに関連づけてしまうので、与えたいイメージにあった音楽を慎重に選ばないといけないということも、この実験は示しています。
元の論文情報はこちら。本文はこちら。
この記事は以下を参考に書きました。
Plataforma SINC (2011, June 22). An explanation of how advertising music affects brand perception. ScienceDaily. Retrieved June 23, 2011, from http://www.sciencedaily.com/releases/2011/06/110622045135.htm
(文: SY)
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