心理学の本ですが、ビジネス書としても有名な”影響力の武器”です。今は第2版が出ていますが、残念ながら新しい版はないので古い版を元に書きます。
この本は、認知バイアスの研究などではいまだに参考文献に名前が出てくるその筋の第一人者ロバート・チャルディーニが、返報性、一貫性、社会的証明、好意、権威、稀少性といったキーワードを通して説得について説明しています。
この本はページ数も多く専門的な本に一見見えますが、実際には非常に読みやすい本です。それは返報性などのキーワードがそれぞれ章になっているのですが、これがエピソードの塊だからです。例えば、好意の章にある類似性の説明では、1970年代に行われた「電話をするために10セント貸してと様々な格好で頼んだ場合に相手が応じた割合」といった話が書いてあります。
これらの社会心理学的な実験は有名なものも多く、それぞれがよく考えられた実験です。それぞれのキーワードの説明を理論で説明するのでなく、「こうやったら、こうなった」、「こうやったら、こうなった」という具体的な事例で進んでいくので、どんどん読み進めていけます。
心理学に興味のある方、営業やマーケティングに関わるビジネスパーソンに読んでもらいたい一冊です。決して損はしないと思います。特にさいころニュースを好きなあなた(どのくらいいるんだろう?)は、絶対ハマると思います。
(文: SY)
影響力の武器[第二版]―なぜ、人は動かされるのか
posted with amazlet at 11.06.24
ロバート・B・チャルディーニ
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