2011年07月06日

手をつないだ写真は、協力を促進する

手をつなぐ子供カップル[1229903] - 写真素材
(c) Ryo.WATANABE写真素材 PIXTA


オーストラリアのニューカッスル大学のMark Rubinが写真によるプライミング(相手に影響を与えるための先行刺激)の研究をしました。この研究は、写真の中の二人が手をつないでいるかどうかで、協力姿勢が変わるかというものです。

この研究では心理学科の122人の学部生を対象しています。まず2つのグループに分けます。

1つめのグループにはカップルに見えるような男女の写真を見せられて、次に「その女性であると想像する」ように言われます。
2つめのグループには親子に見えるような女性と子供の写真を見せられて、次に「その子供であると想像する」ように言われます。

さらにこの2つのグループのはさらにそれぞれが2つのグループに分けられており、片方のグループは二人がすぐとなりに立っているが手をつないでいない写真、もう一方のグループは二人がすぐとなりに立って手をつないでいる写真を見せました。

この後に頼みごとをすると、手をつないだ写真を見せられたグループは頼みごとに応じやすくなることが分かりました。ちなみにこの効果はカップルに見えるような男女の場合でも、親子に見えるような女性と子供の場合でも変わりませんでした。

この研究の結果は、広告の写真などを決める時にも使えそうですね。これは人の共感の力なのか、ミラーニューロンの威力か分かりませんが、手をつないだ写真は見ている人の協力する気持ちも変えてしまうのですね。


この記事はBPSの"How images affect our"を参考に書きました。
元の論文はこちらです。


これまでに書いたプライミング関連の記事は以下です。
お金とミラーリングの効果
名刺としてのブランドロゴ
創造的な人は、不誠実

(文: SY)
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