2011年07月12日

右脳・左脳は利き手より利き目?

指の三角から除く目[1690967] - 写真素材
(c) meromeropanchiストック写真 PIXTA


以前、”左利きは天才が多い?”という記事を書きました。これは、よくある”右脳左脳神話”の一つの”左利きは天才が多い”というわけではないデータがあるという記事でした。


”左利きは天才が多い”という言説は、「左利きは右脳を使う。右脳は直観などの芸術的な能力を司る。よって左利きは芸術的な能力がある人が多い(天才が多い)」というストーリーで述べられているものです。

一方、前回の記事では、データとしては”左利きはむしろ成績が若干悪い”ということになります。本来左利きなのに、強制的に右利きに変えられるコスト(その時間に他のことできるのに)や世の中の多くのものが右利き用に出来ているために、そういったものに習熟する手間や使用する手間がコストになるといったことが考えられます。


ところでふと思ったのですが、もし本当に”右脳・左脳神話”を主張するならば、何故利き手で主張するのでしょうか?

たしかに手というのはよく使うものですが、おそらく認知能力としては手よりも目の方をより使っているはずです。つまり、”利き目”にフォーカスをして、”利き目が左目の人は天才が多い”とした方がより本物っぽいストーリーが作れるのではないでしょうか?

利き目を調べるには、両目で物をみて、右目と左目をそれぞれ閉じてください。もしくは鼻の上(右目と左目の間)に指を立てて両目で見て、それから右目だけ、左目だけでそれぞれ見ることで測ることができます。ちなみに右利きの多くの人は、利き目は右です(おそらく90%以上)。

この利き目が左目の場合は、「左目は右脳を使う。右脳は直観などの芸術的な能力を司る。よって左目は芸術的な能力がある人が多い(天才が多い)」というストーリーを作り出すことができます。


もちろん上に書いた利き目神話は嘘っぱちです。利き手神話と同様に、右脳・左脳のように明確に別れると考えないほうが現実的です。


分離脳の研究などで、右脳や左脳の働きなどについて分かってきたことは多いのですが、それらの結論とよく言われる”脳として”というものには大きなギャップがあり、ちょっとした情報に妄想を混ぜあわせた言説が入り乱れているので要注意です。

特に”分かりやすいストーリーと、それっぽい結論”は気をつけましょう。機能の説明でなく、実証的なデータで示されたものは信じてもいいと思います。天才の基準を示しておいて、これまでにいた天才1000人のうち右利きと左利きの比率は、天才じゃない人とどう違うかといった研究があればいいのですが、こういったことは誰もやらないですよねー。>< まぁ、そんなデータが出ないでしょうから、誰もやらないんでしょうが。


(文: SY)
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