2011年07月26日

化粧品の心理学

春のアイメイク9[1981469] - 写真素材
(c) 笑里ストック写真 PIXTA


女性は化粧品を好きな人が多いですよね。ファッションに対して情熱やお金をかけるのは理解できますが、服以上に化粧品に情熱をかたむけたり化粧品メインの雑誌があんなに出ているということは、男性の私からすると驚きです。

この化粧品についてスペインのバスク国立大学のVanessa Apaolaza-Ibáñezらが18歳から50歳の女性355人を対象とした調査を行いました。この調査では、化粧品が人にどのような影響をしているか、そしてそれはどのような要素によるものかということを明らかにしています。


まず、化粧品の効果ですが、感情をポジティブにさせるというものです。人は化粧品を使うことで、美しくなるなどそれ自体の効果や、自分の外見をケアする心配などから解放され、”自分を思いやっている”気持ち”や、セクシャルな魅力の上昇を感じて、ポジティブな気持ちになるというものです。

なお、このようなポジティブな気持ちは、化粧品のブランドから来ます。これは服でもほぼ同じだと思いますが、満足度の差はブランドへの満足度と解釈できます。1万円のTシャツでも1000円のTシャツでも機能性はあまり変わりませんが、着ている時の感情的な満足度は1万円のTシャツの方が高いのですよね?つまり、化粧品では、商品の機能以外の、化粧品を買ったり使うことでの”ポジティブな気持ち”といった情動の影響が大きいのです。

つまり化粧品を売る側としては、「これを使ってキレイになれます」という効果でなく、「これを使ったらどうなるかな?」というワクワク感のような情動の影響が大きいことを認識しておきましょう。


また、化粧品の実際の効果(機能)を実感するためには、パッケージデザインの影響が大きいこともこの調査から分かりました。素敵なパッケージデザインの化粧品は、化粧品としての機能も高いと認識するのです。パッケージや箱のキメや触り心地、ケースといったものが重要な要素になります。

これは化粧品の調査結果ですが、経験的にはパッケージデザインが機能を暗示するということは他の商品でもよくあることです。ソフトウェアなどでも画面デザインやCDやマニュアルなどのクオリティが製品自体の品質の証として認知されるということはよくありました。


この記事は以下を参考に書きました。
FECYT - Spanish Foundation for Science and Technology (2011, July 22). Do we buy cosmetics because they are useful or because they make us feel good?. ScienceDaily. Retrieved July 26, 2011, from http://www.sciencedaily.com/releases/2011/07/110721095846.htm

元論文はこちら

(文: SY)
posted by さいころ at 09:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 消費者行動
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