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私たちの頭の中にはタイムキーパーがいるのでしょうか??これは難しい問題だと思います。10秒経ったらボタンを押す、というゲームがあった時には、頭の中で数を数えたり、ちょうど10秒になるような歌を頭の中で歌ったりといったことをするのではないでしょうか?
つまり10秒や30秒といった時間を測れるようなタイムキーパーは意識的にはいなさそうです。一方、短い時間を測るタイムキーパーはどうやらいるようです。
台湾の国立中央大学のDenise Wuらが時間と数字の関係についての研究をしました。この研究の実験の1つは、被験者がコンピュータの前に座って、1秒以下という短い時間だけ数字を見て、それから”NOW”と表示されたら、数字が表示されていた時間だけキーを押すというものです。この実験では、被験者がキーを押す時間は見ていた数字の大きさが大きい時には長く、見ていた数字が小さい時には短いことが分かりました。

見た数字に影響を受けて時間が前後するということは、時間を測っている人間の頭の中のタイムキーパーは他のものと独立に時間を測っているのではなく、人間に他の認知からの影響を受けていることを示唆しています。

このことは、面白いテレビを見ている時や仲の良い友だちと話している時は時間が早く進むのに、ずっとケーキの上に苺を乗せる仕事をしている時に時間がゆっくり進むことを説明する手がかりになります。つまり、人間の頭の中のタイムキーパーは客観的な時間を測るものでなく、主観的な時間を測るものなのです。
この記事は以下を参考に書きました。
Association for Psychological Science (2011, July 20). Time and numbers mix together in the brain. ScienceDaily. Retrieved July 23, 2011, from http://www.sciencedaily.com/releases/2011/07/110719171549.htm
(文: SY)