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ミラーリング(相手の真似をすること)はコミュニケーションにとって有益であるということを既に書きました。”ミラーリング”という記事ではミラーリングの有効性を書きました。また、”お金とミラーリングの効果”という記事では、お金についてプライミングするとミラーリングは逆効果になるといったことを書きました。
今回は、ミラーリングをしている相手でなく、第3者からミラーリングをしている人はどう見られているかという研究について紹介します。
この研究は、インタビューをしている人とインタビューをされている人のビデオを見て、インタビューされている人の能力や信頼度を評価するというものです。この時、インタビューされている人は脚を組んだりアゴを触ったりといったようにインタビューしている人のミラーリングをします。
ビデオを見た人は、インタビューを受けた人の能力を評価するように言われますが、この時に以下のような結果になりました。
1.インタビューをする人と、インタビューされる人が親密に見えない時は、ミラーリングをしている人をより低く評価する。
2.インタビューをする人と、インタビューされる人が親密に見える時は、ミラーリングをしていてもしていなくても評価に影響がない。
ちなみに評価する人がミラーリングしていることに気づいていなくても評価の低下は起こりました。
また、さらに2つの実験を行いました。まず2つめの実験は、実際に”ミラーリングをしていること自体”が評価に影響をしているのか、それとも”ミラーリングをすると不自然な動作になって”その結果として評価が下がっているのかという切り分けのものです。
3,インタビューをする人がよく見えないようなビデオを使ってテストをした場合は、ミラーリングをしても評価は低下しませんでした。
つまり、”ミラーリングをすると不自然な動作になる”ために評価が下がるのでなく、”ミラーリングをしていること”自体で評価が下がってしまうようです。
最後の実験は、インタビューをする人(ミラーリングされる人)が高く評価されていた場合のミラーリングの効果についてのものです。
4.事前にインタビューをする人は人道的な活動をしていると言われた上で、インタビューをする人と、インタビューされる人が親密に見えない時は、ミラーリングをしても評価は低下しませんでした。
このようにミラーリングをしていることを第3者にみられると、ミラーリングをしている人の評価が下がってしまいます。ただし、これは条件があって、仲が良い人へのミラーリングや、評価が高い人に対してミラーリングをしている時には評価が下がりません。ミラーリングをする時にはこんなことを意識するといいと思います。
ちなみにこの研究は第3者が、ミラーリングに気づいていない場合のものです。わざとらしいミラーリングは、ミラーリングされた人に対しても第3者に対しても評価を下げると思いますので、ミラーリングしていることがバレないように注意してください。
この記事は以下を参考にしました。
University of California - San Diego (2011, July 28). 'Mirroring' might reflect badly on you. ScienceDaily. Retrieved July 30, 2011, from http://www.sciencedaily.com-/releases/2011/07/110728103139.htm
(文: SY)