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親が子供に贈ることができるものはいくつかありますが、最初の2つはその子供の人生に影響を与えます。一つは誕生月、もう一つは名前です。
誕生月についてですが、たしかコンピュータ雑誌のテクノポリスというもので25年ほど前に読んだ記事だったと思います。日本のプロ野球の選手は4月、5月生まれが有意に多いという記事を読みました。日本では、4月、5月生まれは、同学年の他の子よりも身体が大きいので、運動能力が高く、子供のころから”運動が得意”と言われ自身もつき、実際にチャンスも多くもらえるから、といった内容の記事だったと思います。
マルコム・グラッドウェルの”天才”でも同様のことが書かれていて、アメリカの大リーグや、カナダのホッケーリーグ、イギリスのサッカーリーグでの同様の傾向であると書かれています。やはり、それぞれの国での学年の区切りに依存して、区切りの直後の月の選手が圧倒的に多いという結果でした。
つまり、日本で成功したいならば、子供の誕生月を4月、5月にすることが子供が有利になります。
また、名前が大事ということはいろいろ言われています。”影響力の武器 実践編”の「名前の響きの意外な効果」によると、アメリカではデニスのような歯医者(デンティスト)に似ている名前の人が有意に多いという研究が載っています。アメリカ歯科医師協会の名簿で調べたところ、デニスという名前の歯科医は、名前の出現頻度で想定されるよりも82%多い482人だったという研究が載っています。
また、アメリカではCやDで始まる名前の人はCとDといった悪い成績を取る傾向があり、逆にAやBで始まる名前の人はAとBといった良い成績を取る傾向があります。また、アメリカでは野球の三振をKと書きますが、Kで始まる選手は他の選手よりも三振をしやすいという研究もあります。
(Barking up the wrong treeの"Can your name determine whether you're successful or not?"より)
このように統計的に見ると、人はその名前が暗示するような方向に進んでしまいます。子供の名前をつける際にはこのようなことに注意して、良い仕事や良い行動を暗示するような名前をつける方がいいでしょう。
この誕生月と名前は親が最初に子供に贈ることができるもので、二つとも変えることができない大事なものなのです。
(文: SY)
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