2011年08月10日

モチベーションの6つのテクニック

ビジネスウーマン - 写真素材
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先日、さいころセミナーで行った「モチベーションの心理学」では参加者の皆さんにモチベーションについて気にしていることや行っていることをそれぞれ発表してもらいました。ここで出てきた50近いテクニックについて分析し、分類したのでご紹介します。

・目標が抽象的な時
最初にモチベーションについてですが、目標が抽象的な場合と具体的な場合があります。これから紹介するテクニックは、目標が抽象的な場合は使えません。目標が抽象的な場合は、まず目標をブレイクダウンしたり分析するなどして、目標を具体化するのが第一歩です。


・目標が長期的な場合
これから紹介するテクニックは目標が長期的なものでも、短期的なものでも等しく使えるテクニックです。ただし、長期的な目標は分解して、中期的目標・短期的目標にバラしておくことが大事です。また、当然長期的な目標の達成は、短期的な目標の達成よりも難しいものです。


・モチベーションの6つのテクニック
前回のさいころセミナーで挙げられたモチベーションのためのテクニックとして、以下の6つがあげられます。

1.分解(スモールステップ)
2.可視化
3.まきこみ
4.おいこみ
5.事前行動
6.理想化

これらのそれぞれを簡単に紹介します。

1.分解(スモールステップ)
分解は文字通り目標を分解して小さなステップにすることです。例えば1年後にTOEIC600点という目標があった場合には、その前に”半年後にTOEIC540点”、”3ヶ月以内にTOEIC540点を目指す本の単語を9割覚える”、”2ヶ月以内にTOEIC540点を目指す問題集を1冊終える”といったように、目標を分解します。
分解は最も基本的なテクニックであり、特に長期的な目標の達成のためには必須のテクニックです。


2.可視化
可視化は今の状態や途中状態などをわかりやすくすることで、3つの可視化にわかれます。
2−1.目標の可視化
目標の可視化は目標を達成した場合の状態を、具体的にすることです。例えば、昇進したら、手取りの給料がどれだけ増えるかを計算してみるといったことがあります。
2−2.経過の可視化
経過の可視化は分解と絡んできますが、例えば小さなステップに分解したものをやるたびにチェックをつけたり、もしくは1時間勉強するたびに手帳にシールを貼るといったものです。
2−3.現状の可視化
現状の可視化は、目標の前の現時点での可視化をします。これは、例えばダイエットの前に写真を撮っておいたり、部屋の掃除前に写真を撮っておいたりします。そして目標を達成した後で再度写真をとって比較することで今後のモチベーションに活かしたり、状態の維持に活用します。


3.まきこみ
まきこみは自分でなく他人をモチベーションの源泉にしようとするものです。ソーシャルメディア時代に相応しいもので、最も強力なテクニックと言えます。
3−1.参加
参加では、他の人が行っているイベントに参加表明をしたり、毎月行われているような勉強会に参加するといったことです。実際には自分が主催している場合でも、参加しているために自分に強制力がかかって、実効をします。
3−2.他人からのフィードバック
他人からのフィードバックは、ツイッターでつぶやいたり、ブログに書いたりして、他人から「ガンバレ」等のフィードバックをもらうことでモチベーションにします。参加ほどの強制力はないものの、やはり他人からのフィードバックがあることで、強力なモチベーションになります。
3−3.宣言
宣言は、自分で何かをするといったことを知人が見ている所で一方的に宣言をすることです。例えば、会社で「禁煙します!!」と大々的に発表をしたりします。他人からのフィードバックがある方がより強力ですが、他人に宣言をするだけでもある程度の強制力がかかります。


4.おいこみ
おいこみは自分自身をモチベーションの源泉にするものです。まきこみと対になるものとも言えます。
4−1.アファメーション
アファメーションは自分から宣言をすることですが、まきこみと違うのは自分で宣言をするだけです。例えばブログでなく日記に書いたり、自分の手帳に書いたりといった手法です。自分だけがモチベーションの源泉なので、まきこみに比べて強制力がないという欠点があります。
4−2.背水の陣
背水の陣は締切ギリギリまで放置したりして、自らがせざるを得ないような状況に陥ることです。例えば、スポーツクラブの期限のある回数券を買うといったことがあります。また、背水の陣とまでは行きませんが、静かで周りがみんな勉強している喫茶店に入るというのも、自分が勉強をせざるを得ない状況にしているという点で、背水の陣の一種と言えます。
4−3.ルール化
ルール化は、毎週月曜日の朝は7時から喫茶店で英語の勉強をするといったように、自分でルールを決めてしまうことです。自分でルールを決めることで、習慣になるよう強制します。
4−4.リセット
リセットは同じことをずっとし続けて飽きた時に、環境を変えたり行動を変えてモチベーションを回復させることです。例えば、ずっと英語の勉強を行わずに、途中で別のことをやったり。1箇所で読書をする時間を90分に制限して、途中で別の喫茶店や図書館に移動するといったことでモチベーションを持続させるといったことです。


5.事前行動
事前行動というのは、実際の行動の前にやっておくことで行動をやりやすくするものです。
5−1.準備
準備は何かをやる環境や道具などを事前に準備しておくことです。例えば、部屋をキレイにしておいて、お菓子やポットを部屋においておくことで、すぐに部屋で読書に集中できます。
5−2.ローコスト化
ローコスト化は、やりはじめるためのコストを下げて、ハードルを下げてすぐ始められるようにすることです。玄関にテニスのラケットや着替え一式をカバンに入れて置いておくことは、テニスの練習に行くためのハードルを下げるローコスト化です。。


6.理想化
理想化は目的や理想からモチベーションを保つような方法です。
6−1.理想の行動
理想の行動は、自分のロールモデルとなる人の行動を真似したり、理想的な行動はどのようなものかを考えて行動を決定するというものです。例えば、ここでイチローならどのような練習をするか、といったことを考えることで、実際の練習のモチベーションを高めるといったことです。
6−2.イメージング
イメージングは、目的を達成したことを想像するといったことです。実際にTOEICで800点をとって海外で会話を楽しんでいる自分を想像したり、テニスでラリーを続けている自分を想像することでモチベーションを保ちます。


・6つのテクニックの使い分け
実際に、自分の目標達成のためにはこれらの6つのテクニックを組み合わせてモチベーションを保つことが大事です。

また、6つのテクニックのうち、分解と可視化は、他のテクニックの補助に使うようなもので、残りの4つのテクニックを分類すると下図のようになります。

モチベーションの6つのテクニック.001.jpg

この中で事前行動はモチベーションを上げるというよりも補助的な役割のもので、基本はおいこみ・まきこみになります。また理想化は、おいこみ・まきこみとは違うレベルのものになります。何をゴールにするかによりますが理想化だけでは十分なモチベーションを保つのが難しいので、ある程度の分解・可視化と、その上でのおいこみ・まきこみが必要になります。


(文: SY)
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