2011年08月29日

真似するかを決めるのはミラーニューロンじゃない

小さな運転手 - 写真素材
(c) Seaside画像素材 PIXTA


人は互いにいろいろなことを真似します。”ミラーリング”という言葉で知られているように、相手に真似をされることで相手への好感度が上がるといった研究は数多くあります。

それでは、この真似をするというのはどういった部位が行っているのでしょうか?最近では、ミラーニューロンという言葉もかなり有名になってきて、このミラーニューロンが人の真似に絡んでいるということが分かってきています。実際にはこのミラーニューロンは人だけでなくサルにもあり、サルも真似をするということも分かっています(え?猿真似!?)


ノッティンガム大学のAntonia Hamiltonらは、真似をする時に脳のどこの部位が活発になるかを調べました。これは、女優のビデオを見ている被験者の脳のイメージデータから調べたものです。ちなみにHamiltonらは、以前の研究で人はアイコンタクトをした時に相手の真似をする傾向があるということを調べていたので、今回の実験は女優がアイコンタクトをするようなビデオを見るという研究になっています。

この結果、分かったことはまず真似をすること自体ではミラーニューロンの部位の活動が活発になったことです。それ以外に前頭葉中央部の、複雑な計画や認知行動や意思決定などの社会行動に関連している部位が活発になっていることが分かりました。

つまり、この社会的行動に関連した部位が相手を真似する正しいタイミングかどうかを判断していると考えられます。つまり、ミラーリングや真似というと思わず「ミラーニューロンかぁ…」と考えてしまうかもしれませんが、実際に真似するかどうか自体はミラーニューロンでなく、もっと高次な機能の役割であるということなんです。


あまりビジネスに使えない心理学ですか?まぁ、たまには…


この記事は以下を参考にしました。
University of Nottingham (2011, August 25). Seeing eye to eye is key to copying, say scientists. ScienceDaily. Retrieved August 28, 2011, from http://www.sciencedaily.com- /releases/2011/08/110816171428.htm


これまでのミラーリング関連の記事
ミラーリング
お金とミラーリングの効果
ミラーリングの負の影響

(文: SY)

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