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980円や1980円といった価格の商品はいろいろあります。1000円の商品よりも980円の商品の方が売れるというのは経験的に多くの人がわかっていると思います。
これは人は一番左側の数字が重要であるということをわかっているからです。980円と1000円の場合はさらに桁まで違っています。
価格の研究に関しては世界でも5本の指に入るといわれている研究者ラトガース大学のRobert Schindlerはこの”少し下”の価格についての研究について書いていました。
これまでの100の研究のメタ分析(過去の様々な研究をまとめて、精度をあげるような研究)から、この980円のような値付けには良い面だけでなく、負の要素もあるのです。
それは、980円や1980円のような値付けは、商品を安く思わせるだけでなく、同時に品質に疑問を抱かせるかもしれないのです。
顧客は、商品を選ぶ時に価格だけでなく、品質も重視しています。日用品の場合は価格を重視すること多いので、980円や1980円のような値付けも有効ですが、バッグや宝石などの贅沢品やコンサルティングサービスなどのとにかく品質が大事なものの場合は、98000円や、498000円のような価格よりも、11万円や55万円のような価格の方が有効と考えられます。
もちろん顧客が価格と品質のどちらをどのくらいの割合で重視するかにもよります。ただし、品質重視の商品の場合は、価格で安さのシグナルを出すことで、”品質もそれなり”というメッセージを同時に出してしまうこともあるのです。
この記事は以下を参考に書きました。
Rutgers University. "99-cent pricing may not be worth the penny, says expert." ScienceDaily, 6 Sep. 2011. Web. 13 Sep. 2011.
(文: SY)