2011年09月20日
顧客接点の設計
(c) Sra.Tommy|画像素材 PIXTA
以前、”試飲についての2つの効果”という記事を書きましたが、今朝行った喫茶店もなかなかにレベルが高かったのでご紹介します。
このお店は席数が20程度の小さな喫茶店で、店主とフロア係の男性1人でやっていました。コーヒーと器にこだわりのある小さなお店です。
ここでモーニングセットを頼んだのですが、まず注文時に「今月から、こちらのホットサンドのハムサラダを始めました、よかったらどうぞ」と言われ。こちらの注文後に「よろしければプラス100円で、サラダもつけられます」という質問がありました。
さらに、注文を受けてしばらくしてから、コーヒーとモーニングを出す少し前に「フレッシュは必要ですか?」と聞きに来ます。
完全に単純接触効果狙いですね!!つまり、店員と「繰り返し接する」、「やりとりを生む」ポイントと時間を増やして、店員への好感度を上げる狙いです。
さらに注文の品を出す時にも、「よろしければこちらに記入いただくと抽選で旅行があたります」といって小さな紙とペンをだし、さらに「お得なコーヒーチケットが期間限定でさらに安くなっていて本当にお得です。よろしければどうぞ」とダメ押しをしてきます。
喫茶店に入って、自分から何も話しかけないのに、こんなに店員さんとやりとりをしたのは初めてです。さらにいろいろなところがツッコミどころ、例えば「キャンペーンの旅行ってどこ?」とか「コーヒーチケットの有効期限はいつ?」などと店員とやりとりを促すような機会があります。
他のお客さんにも同じように接していたので、このお店はシステムとしてお客さんとのやりとりを増やすようにしているようです。またサラダのオススメやコーヒーチケットの販促などのアップセリング・クロスセリングだけでなく、抽選での旅行キャンペーンのような純粋なサービスが混ざっていて”売らんかな”という印象がありません。このように、明らかに接触回数・時間を増やすように顧客接点を設計しているようでした。
また、今回の滞在時に、フロアの人が別のお客さんからコーヒーの質問を受けていたのですが、その答えがイマイチだったのをフロアの人がカウンターに戻ってすぐに店主が「こうしなさい」と指示していました。このようにフィードバックをすぐに行うというのも、人を扱う上では大事なことです。
心理学的に見て非常に良いお店でコーヒーを飲むことができました。真摯にビジネスに向き合っているお店に出会えて朝から良い気分になれました。
(文: SY)
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