2011年09月27日
自己愛的なリーダーの問題
(c) kenjito|イラスト素材 PIXTA
■自己愛的なリーダーは、集団での情報共有を減らし、課題のパフォーマンスを低下させる。
自己愛的なリーダーはあらゆるところにいる。スティーブ・ジョブズ、ニコラ・サルコジ、ビル・クリントンを考えてみればいいだろう。
通常、私たちはナルシストの自己肥大した自分についての意見を共有することはないが、リーダーシップに関しては話は違ってくる。ナルシストはよきリーダーのすべての特徴の表現の仕方を知っている。つまり、彼らはセルフ・エスティームが高く、自信があり、権威を示す。研究では、彼らはリーダーなきグループを自動的に引き継ぐことを示している(Brunell et al., 2008)。
しかし、どのように自己愛的リーダーは集団のパフォーマンスに影響するのだろうか。Nevickaら (2011)が Psychological Scienceに掲載された新たな研究の中で問うのはまさにこの疑問である。
リーダーの仕事の1つは、グループメンバーのコミュニケーションを促進することである。もしも情報がグループメンバーの間で共有されていれば、よりよい意思決定がなされるだろう。だから、ナルシストは情報がグループメンバー間で共有されるためにどんなことをするだろうか。
Nevickaらの研究で明らかになったことは、自己愛的なリーダーはグループ間の情報共有を低減させ、グループのパフォーマンスを悪化させるということである。
しかし重大なことは、これがグループで知覚されていないということだ。グループはナルシストが実際には(課題のパフォーマンスによって測定されたように)よい仕事をしていないときでも、よい仕事をしていると考えていた。この知覚はおそらくダイナミックである。
「時間の経過とともに、グループメンバーが持っている自己愛的リーダーのポジティブな印象は減少するだろう。事実、先行研究ではナルシストに抱く第一印象は好ましいものであるが、それは時間とともに減少することを示してきた(Paulhus, 1998)」
しかしその時まで、ナルシストは支持されつづけるのである。
この記事はPSYBLOGの”The Problem With Narcissistic Leaders”を翻訳したものです。
(翻訳:山崎Y)
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