2011年10月06日
夫婦別姓?夫婦同姓?
(c) M|ストック写真 PIXTA
日本では一般的に結婚をすると妻が夫の姓を名乗るということが行われています。これは日本だけでなく、世界中の様々な国で行われている習慣です。日本では女性が姓が変わっても、仕事の上や会社の中では旧姓を名乗っていたりといったことがあります。
それでは、夫婦別姓が認められている海外では別姓を名乗るか、夫の姓を名乗るかでどのような差があるのでしょうか?
アメリカの研究では、夫の姓を名乗っている女性は、知性が低くて、野心が少なくて、より短い時間しか働かず、家族により集中しているとみなされます。それでは夫の姓を名乗るメリットはなんでしょうか?これは、夫や周りに対して”結婚に対してよりコミットメントをしている”証となります。このことは雇用者側に対しては逆に働き、良い労働者とはみなされないことを意味します。
ちなみに、学歴が高い人ほど夫の姓を名乗らない(夫婦別姓)の傾向があります。修士卒はより低い学歴の人の2.8倍、博士号取得者は、学部卒の人の9.8倍、別姓を名乗ります。
またオランダの研究では、夫婦同姓の場合子供が平均2.2人なのに対して、夫婦別姓の女性は、子供が平均1.9人となります。また、週の平均労働時間も同姓の場合は22.4時間に対して、別姓の場合は28.3時間となります。もちろん、その分給料も違っており、夫の姓を名乗っている人が週給が960ユーロに対して、夫婦同姓の場合は1156ユーロとなります。
この週給の差は労働時間の差にも見えます。しかし、ある実験によると、候補者が夫の姓を名乗っているか夫婦別姓かによって、雇用者がオファーする金額が変わります。夫婦別姓の場合は、月給で861ユーロも多い金額がオファーされます。
夫の姓を名乗るか夫婦別姓かというのは、倫理や法制度の問題でもありますが、その結果については心理学の対象でもあります。
この記事はBig thinkの"Are women paying the price for taking their husband's name?"を参考に書きました。
元の論文はこちら
Gooding, Gretchen E. and Rose M. Kreider (2010). “Women’s Marital Naming Choices in a Nationally Representative Sample.” Journal of Family Issues 31(5): p.p. 681-701.
** Noordewier, Marret K.; Femke van Horen; Kirsten I. Ruys and Diederik A. Stapel (2010). “What's in a Name? 361.708 Euros: The Effects of Marital Name Change.” Basic and Applied Social Psychology 32(1): p.p. 17-25.
(文: SY)
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