2011年10月13日
目標達成のための11の方法
(c) IYO|写真素材 PIXTA
●目標設定での空想、可視化、目標へのコミットメント、躊躇、目標設定の副作用について
私たちは目標設定についての様々なことを聞いています。目標設定については、具体的で、チャレンジングで、報酬を使って、進捗を記録して、みんなに宣言をするといったことが言われています。
それでは、どうして我々はいまだに失敗してしまうのでしょうか?
心理学の研究からこの疑問に回答し、さらにどのような考え方が目標設定の役に立つかを示します。
1.空想を止める
どんな目標でももっとも大きな敵は、過大なポジティブな空想です。”ポジティブな空想の罠”で述べたように、ポジティブな空想が仕事をみつけたり、パートナーをみつけるのを失敗させてしまいます。目標達成においては空想はよりネガティブな方がよいです。成功するまでは、将来の成功を経験しないようにしなければなりません。
2.まずコミットする
私たちが目標を達成しないのはコミットメントの不足が理由です。
強力な心理学的なテクニックで、コミットメントを強化することができます。この手法はメンタル・コントラストと言われるものです。目標達成の難しい点と簡単な点を考えることで、よりコミットメントが高まります。
3.最初の一歩をはじめる
"ツァイガルニック効果"を使うことで、目標に近づくことができます。"ツァイガルニック効果"というのは、完了した課題よりも、達成されなかった課題や中断している課題の方が記憶に残りやすいというものです。
ロシアの心理学者、Bluma Zeigarnikは、ウェイターは注文を受けている間だけオーダーを覚えいて、オーダーが終わるとそれを忘れてしまうことに気づきました。
ツァイガルニック効果は、優柔不断に対する一つの武器としてともかく何かをはじめるということを示唆します。最初にはじめてさえしまえば、ツァイガルニック効果によって目標があなたの心の中に居座ることになります。
4.結果でなく、プロセスをイメージする
私たちは、過信による計画の影響を受けやすいです。上手くいってない時でも、上手くいっていると考えてしまいます。目標へのプロセスをイメージすることで、次に行うべきステップに集中でき、また、不安を減らすこともできます。
5.どうにでもなれ効果を避けろ
私たちは目標を失敗すると、”どうにでもなれ効果の罠”に落ちることがあります。ダイエット中の人は、毎日の摂取カロリーの制限を超えると、「どうにでもなれ」とたくさん食べてしまうことがあります。
"どうにでもなれ効果"の影響を受けやすい目標は、短期の目標や禁止に関わる「〜しない」といった目標です。逆に長期的な目標や、「新しく〜する」目標では、どうにでもなれ効果を避けることができます。
6.優柔不断を避ける
目標が困難で目標に本当に価値があるかわからない時に、私たちは躊躇します。このような状況では、大きな目標を忘れて詳細に没頭することがキーとなります。デッドラインを設けて、足元のことに集中しましょう。”だらだらを避けるには”(未訳)も参照のこと。
7.焦点を変える
足元だけ見ていたらどこに向かっているか分からなくなってしまいます。最終的な目標と現在やっているタスクを完了させることの間で焦点を切り替えることが目標達成のキーです。研究によると、進捗を評価する時に、特に難しいタスクを評価する時には、じっとタスクに集中することがベストな方法となります。しかし、タスクが簡単だったり、終わりかけている時には最終的な目標に集中することがベターです。”大きなプロジェクトを終わらせるには”(未訳)も参照のこと。
8.自動的な行動をしない
しばしば私たちの行動は自動的になります。私たちは、本当にそう考えるから物事を行うのでなくて、習慣や無意識の他者の真似をして行動してしまいます(Bargh他, 2001)。このような行動は、目標への努力の邪魔となります。自分の行動が、本当に目標に近付いているかを自問しましょう。
9.目標を忘れろ、何をしたいのか?
目標は私たちの最終的な狙いと一致しているべきです。しかし、”目標設定のダークサイド”があります。目標があまりに具体的な時、行き詰ってしまいます。
例えば、あまりにも目標が多いと、重要じゃなくて簡単な目標が優先されてしまったりします。また、あまりにも目標が短期的だと短期志向を生んでしまったりします。また、悪い目標設定はモチベーションを下げてしまったり、非倫理的な行動を増やしたりします。
第一に、目標の全体を覚えておいてください。
10.引き際を知る
始める時でなく、いつ止めるかを知ることが問題になることがあります。心理学者は、サンクコスト(埋没コスト)が奇妙な行動をさせることをみつけました(Arkes & Blumer, 1985)。サンクコストは、既に使ってしまって取り返せない努力やお金を意味します。このサンクコストのため、計画が失敗しても、それを続けようとしてしまいます。
研究では、目標に対して努力やお金を投入すればするほど、実際に成功しそうかどうかに関係なく、より成功すると
考えてしまいます。進路をいつ変更して、無駄なことをいつ切り上げるかを知ることが大事です。
11.if-thenプラン
これらの研究は、目標達成においての自己管理の重要性を示しています。もし、目標達成のためのコスト全てが分かると、自己管理はとても難しくなります。
このようなことを防ぐための方法としては、”if-then(もし〜ならば、〜せよ)プラン”という方法があります(Gollwitzer他, 2006)。あなたはある状況になったらやることを、事前に決めておきます。これは単純に思えますが、私たちは計画するよりも即席でやりがちです。”if-thenプラン”は、これまで説明したような障害を乗り越えるために使えます。
この記事はPsyblogの"11 Goal Hacks: How to Achieve Anything"の翻訳記事です。
(翻訳: SY)
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