2011年10月20日
目標の正しいビジュアル化
(c) タケ|ストック写真 PIXTA
あなたがビジュアル化すると、本当にそれが叶う?
ビジュアル化の力について乱暴な主張がされています。
「イメージをすればそれは叶う」といったことが言われています。もちろん、それが完全にガラクタであったとしてさえも、自分が言ってもらいたいと思っていることを人に言ってあげるという莫大なマーケットがあります。
ビジュアル化は、たしかに目標を達成する際に大事かもしれません。多くの研究が、運動でのビジュアル化の力を伝えています。アスリートは、より高いパフォーマンスでのプレイを経験するように促されます。
今では、スポーツにおいて、自分のパフォーマンスをビジュアル化するようにプレイヤーに言わない心理学者をみつけるのが難しいです。
また、ビジュアル化は、人の行動を変えるための心理セラピーでも使われます。例えば、アルコール中毒の人は、飲酒をしたくなったらどのように対処するかをビジュアル化するように言われます。
効果的なビジュアル化
ビジュアル化が目標達成に役立つことはよく知られています。しかし、未来についてのビジュアル化は、様々な形で表れます。いったい、どのようにして、正しい方法のビジュアルをしていると知っているのでしょうか?
人気のある自己啓発本には、私たちは結果をシミュレートすることで成功する、と書いてあります。そして、昇進、理想のパートナーとの出会い、大掃除をすること、などをイメージすれば、私たちは目標に近づくと言っています。
”ポジティブな空想の罠”という記事では、ポジティブな空想よりもネガティブな空想の方がより良い結果になることを述べました。おそらく、未来のビジュアル化の効果的な方法というのは、目標を達成した状態でなく、目標を達成するプロセスについて考えることなんでしょう。
プロセス対結果
結果とプロセスは、1対1に対応するものです。PhamとTaylor,1999の実験は、学生のビジュアル化に関するものです。この実験では、試験の結果が上手く行くとビジュアル化した学生と、勉強するなどの目標へのステップをビジュアル化した学生を分けました。
その結果は明確なものでした。参考書を読んだり、必要なスキルを得ることをビジュアル化した学生は、より長い時間実際に勉強をして、試験でもより良い点数を取りました。
(ちなみに意外なことに、勉強の時間と試験の点数は、弱い相関しかありませんでした)
このことは、プロセスをビジュアル化する2つの効果について示しています。
・計画: プロセスをビジュアル化することで、目標達成に必要なステップに集中できます。
・情動: プロセスをビジュアル化すると、心配が減ります。
計画の誤信
結果をビジュアル化することが上手くいかない理由の一つは、計画の誤信です。これは、私たちはすべてのことが実際によりもより簡単であると考えていることによります。このことは何年も経験しているのに、ずっと過信したままです。そして、私たちはどのくらいの計画が上手く行って、どのくらいが失敗するかの予測に失敗し続けているのです。
一方、プロセスについて考えることは、潜在的な問題に集中して、どうやって解決するかに役立ちます。
単に目標について夢見ることは、役立たないどころかより悪い結果を起こすかも知れません。それはパフォーマンスを落としてしまいます。最近の研究では、成功した結果をビジュアル化した被験者は、勉強の量が減り、モチベーションも低下することが分かっています。
つまり、結果を願うのでなく、どうやって成功するかの過程をビジュアル化することが大事なのです。
この記事はPSYBLOGの"The Right Kind of Visualisation"を翻訳したものです。
(翻訳: SY)
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/49058543
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。
この記事へのトラックバック
http://blog.sakura.ne.jp/tb/49058543
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。
この記事へのトラックバック