2011年10月24日

顔を語るには、雰囲気重視

顔 スパイス               - 写真素材
(c) 516写真素材 PIXTA


イギリスのストラスクライド大学のElspeth Jajdelskaの研究によると、顔についての記述は、個別の特徴(例えば鼻や目など)を詳細に述べても、鮮明な印象にならないというものです。通常は、瞳の色がどうで、髪がこう、といったように個々のパーツを述べていくとより詳細なイメージが出来て、鮮明な印象を与えることができそうです。しかし、ディケンズ、エリオット、チョーサー、ウォルター・スコットなどの作家の文章を調べると、詳細な特徴を説明するよりも、全体的な印象のみを語ることで、より鮮明な印象を与えるとのことです。

つまり、文学においては顔を述べるのは個々の説明よりも全体的に、ということです。


顔の認識については、他の物の認識とは違います。これはまだ小さな赤ちゃんが人の顔を見ると笑うだけでなく、スマイリーマーク(ニコちゃんマーク)を見ても笑うことからも分かりますし。顔の認識をする脳の部位があることや、”相貌失認”という人の顔が分からなくなる症状があることからも分かると思います。


このJajdelskaの研究は"journal Poetics Today"に投稿した文学に関するものですが、このように心理学的な知見は文学にも応用できるということでしょう。


この記事はストラスクライド大学"Vivid descriptions of faces “don’t have to go into detail”を参考に書きました。


(文: SY)
posted by さいころ at 11:45| Comment(0) | TrackBack(0) | その他
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