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多くの人の直感に反して、自分のためにお金を使うよりも、他人のためにお金を使うとより幸せになります。
このことはびっくりするほど革新的なアイデアというわけではありません。ですが、このことは直感に反しているので、再考する価値があります。
Dunnら2008の研究によると、多くの人は自分自身にお金を使うと他人に使うよりも幸せになると考えています。しかし、様々な研究から、このことはおおむね真実ではないことが分かっています。
・Dunnら2008の研究によると、5ドルか20ドルを他人のために使うようにとお金を渡された被験者は、自分のために使うようにとお金を渡された被験者よりもより幸せになります。
・Dunnら2008の研究によると、収入のより大きな割合を他の人にあげたり、慈善事業に使う人は、自分自身にお金を使う人よりも幸せです。
・Akninら2010のカナダとウガンダの研究によると、自分が他人に対して寛大と考えている学生は、自分自身にお金を使うと考えている学生よりも幸せです。
上は、お金をあげた側の幸せについて語っています。もちろんこれに加えて、もらった人の幸せ分も計算に入れないといけません。
社会に向けての支出
それでは、何故、他の人のためにお金を使うこと、つまり社会に向けての支出が私たちをより幸せにするのでしょうか?
その理由は、他の人にあげることで、自分自身がいい気持ちになるのです。人にあげることは自分は責任感があって寛大であるという感覚を強めて、そして自分が幸せな気持ちになります。また、他者にお金をつかうことは、社会的なつながりを強くします。社会的に強いつながりを持つことは、一般的により幸せにします。
それでは、もし社会に向けてお金を使うことが私たちを幸せにするなら、どうして私たちは自分のためにお金を使う方がより幸せになると考えるのでしょうか?
それは、お金が知らない間に心に及ぼす影響のためです。Vohsら2006の研究によると、単にお金を思い出させるものが、あらゆる種類のネガティブな効果を持ちます。
お金について考えることで、
・より他人を助けなくなる
・より寄付をしなくなる
・他者といっしょに過ごさなくなる
・他人がより多くの仕事を引き受けようとしていても、3倍も一人で仕事をしようとする
といった悪影響を及ぼします。他人を助けたり、寄付をしたり、他人と過ごしたり、一緒に働くといったことは私たちを幸せにする行動です、しかし、お金を思い出した人は、これらのことをしなくなるのです。
お金はいつも悪いわけではありません。適切な状況では、お金は私たちのモチベーションになりますし、現代社会ではお金なしでは上手くいかないでしょう。しかし、お金には、明らかに心理的にネガティブな効果があります。だから、お金の悪い面とは戦わないといけません。お金を馬鹿にして、お金を騙して、お金をどっかにやってしまいましょう。本当に自分が得をする性格は、寛大さなのです。
この記事はPSYBLOGの”Why Spending Money on Others Promotes Your Happiness”を翻訳したものです。
(翻訳: SY)