2011年11月09日

箱と自分から脱出するクリエイティブ思考

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新しい研究では自分に対してより他人に対してでは、もっとクリエイティブなアイデアが生まれることが分かりました。

”箱から出る思考”という陳腐な表現は、上のようなパズルを考える時に言われています。このパズルは、一筆書きで4本の直線を引いて、すべての点をつなぐことができるかというものです。


この”箱”という表現は、点があなたの頭に作り出すものを暗示しています。パズルを解くには、この点でできる箱を無視しなければなりません。言葉そのままに、箱から外に出て考えるのです。(もし箱の中に入っていても、Googleで”9つの点”で検索すれば答えは分かりますが)

このようなパズルは、習慣的な思考法を無視するような奇抜な解決を必要とします。この時、”箱”から出て考えるだけでなく、”自分自身”から出て考えるようにできます。次のパズルでは、創造性の面白い面を見せてくれます。

高い塔から逃げる囚人を想像してください。この囚人はロープのみを持っています。しかし、このロープは窓から地面の半分の長さしかありません。この囚人はロープを半分に分けて塔から逃げました。どうやったのでしょうか?

PolmanとEmich,2011の研究では、この問題の少し違ったバージョンを使って実験しました。被験者の半分は、上の説明をしました。残りの被験者は、上の問題と同様ですが、囚人を想像させるのでなく、”自分”が塔に捕まっていると想像させました。両方のグループにも「塔から逃げることは出来る」と告げました。


その結果、”囚人”が逃げる方法を考えついた被験者は66%でしたが、”自分”が逃げる方法を考えついた被験者は48%にすぎませんでした。

(ちなみにこの答えは、ロープを半分に分けるというのは長さを半分にするのでなく、半分の太さに分けることです。この半分の細さのロープをつないで逃げるというものです)


2つめの実験では、アイデアを考える時に、人がどのくらいクリエイティブなのかを実験しました。この実験では、自分自身のためにアイデアを考えるグループ、親しい人のために考えるグループ、もう一方は社会的に離れた見ず知らずの他人のために考えるグループの3つに分けられて、それぞれがアイデアを考えました。

アイデアを分析すると、見ず知らずの他人のために考えたグループが一番クリエイティブでした。自分のために考えたグループと、親しい人のために考えたグループはイマイチな結果でした。

この結果は、第三者のように問題を考えることが原因と考えられます。見ず知らずの他人や高い塔の囚人について考える時に、私たちの心の中で、より抽象的に考える傾向があります。この抽象的な思考が、詳細にこだわらずに、よりクリエイティブに考えることを可能にします。

”箱から出る思考”という言い古された表現は、これらの実験結果から”自分自身から出る思考”と言うべきでしょう。

抽象思考と、どうやってクリエイティブに考えるかについては、PSYBLOGの"how to be creative"(英語の有料電子書籍)に5つの原則が書いてあります。


この記事はPSYBLOG”The Creative Power of Thinking Outside Yourself”を翻訳したものです。


(翻訳: SY)
posted by さいころ at 15:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 発想法・問題解決
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