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突然に、誰かから贈り物をもらうと、警告のベルが鳴り響きます。一体、どうして何をしてもらいたいの?それとも何かやっちゃったの?
説明できない優しさには、何か理由があるはずです。
私たちは、普段、他人の動機を理解しようとします。合理的に考えることで、分からないことを減らして、世界を理解しようとするのです。しかし、冷静で論理的な考えは、ある瞬間の喜びやロマンスを殺してしまうという問題があるようです。場合によっては、予期しない贈り物に驚くだけにして、分からないままにしておいた方がいいかもしれません。知らないことが、魅力や興奮につながるかもしれません。理解しようとしないで、ただ楽しんでください!
それでは、ミステリーが喜びを増すという考えには証拠があるのでしょうか?バージニア大学の社会心理学者Timothy D. Wilson教授らが、このような考えについて実験をしました。それではその研究を見てみましょう。
1ドルのプレゼント
実験は、大学の図書館で1ドルのコインが貼りつけられた2種類のカードを使って行われました。この2種類のカードはほとんど同じです。カードには「これをあなたに!」という文字とスマイルマークが書いてあり、その下には「スマイル協会、学生/コミュニティ民生協会。私たちは、親切なことをいろいろしています。良い日を!」と書いてあります。ただし、2種類のカードの一方には、この文面に加えて「我々は誰でしょう?」と「なぜ我々はこれをするのでしょう?」という質問を書き加えてあり、もう一方にはありません。
実験の準備として、人々に質問つきのカードを見せたところ、論理的な説明をよりすることが出来ました、質問なしのカードはよりミステリアスなままでした。
その後、実際に、図書館に座っている人に1ドルつきのカードを配りました。それから、異なる実験を少ししてから、彼らの気分を測りました。
その結果は、自分たちがどうしてカードを貰ったのかを確信していない人の方が、より幸せな気分でいました。つまり、ミステリーが幸せを持続させるのです。
別の実験
このミステリーが謎を持続させるという考えについて、異なる2つの実験が行われました。1つめの実験では、被験者は感動するような実話の映画を見ました。彼らは、フィルムを見た後で、その主人公に何が起こったかについてのちょっとした文章を与えられました。ここで文章は2種類ありました。両方とも、いい話が書いてありましたが、片方には「この映画は実話です」とあり、もう一方には「この話は本当かどうか分かりません」と書いてありました。その後で、気分を測ると、「この話は本当かどうか分かりません」という文章を読んだグループの方が、よりよい気分でいました。
2つめの実験では、オンラインでの他人の印象を評価するというものです。6人とやりとりをした後で、相手から印象が良かったという評価の自分を褒めるような文章をもらいます。この時に片方のグループはどの人から評価をもらったかを教えてもらい、もう一方のグループではどの人から評価をもらったかを聞きません。すると、どの人から評価をもらったかを知らされないグループの人の方が、より長い間幸せを感じました。
解説
不確実性というのは心配なことでもあるので、不確実性が増すとより幸せになるというのは奇妙なことに思えます。人は、不安を減らすためにも不確実性を減らそうと努力します。研究者によると、人はトラウマになるような出来事に会うと、すぐに何が起こったかを理解して、悲しさを低減し回復しようとします。
同じような出来事が楽しい出来事でも起こります。私たちは良い出来事についても説明によって、不確実性を減らします。そして、それが私たちの幸せな感情も減らしてしまうのです。残念なことにトラウマになるような出来事からの回復のプロセスが、私たちの幸せを減らしてしまうのです。
もし、あなたが誰かに贈り物をする時に、相手から「どうして?」と聞かれたら、黙ってミステリアスに微笑んでください。そうすれば、相手はちょっと長く幸せな瞬間を過ごすことができます。説明というのは、時々、魔法の力を消してしまうのです。
この記事はPSYBLOGの”How to Feel More Pleasure: Crank up the Mystery”を翻訳したものです。
また、以前、”バレンタインの心理学”というタイトルで、同じウィルソン教授の実験内容を紹介しています。この実験は秘密と相手の魅力の関係について述べたものです。
参考文献
Wilson, T. D., Centerbar, D. B., Kermer, D. A., & Gilbert, D. T. (2005). The pleasures of uncertainty: Prolonging positive moods in ways people do not anticipate. Journal of Personality and Social Psychology, 88(1), 521.
(翻訳: SY)

