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女性は空間認識が苦手と言われます。カーナビの設定で、上を北にする(ノースアップ)か、前方を上にする(ヘッドアップ)かといった設定で、女性の方がよりヘッドアップに設定するというのが経験的にあります。また、紙の地図をグルグル回してみたりといったことをする人もいます。あ、iPadの地図をグルグル回してる男性もいますが...これは、頭の中で地図を回転させて見る能力が男女で違うためと考えられています。
イタリアのボッコーニ大学のZachary Estesとジョージア大学のSydney Felkerの研究によると、地図を読む時に女性が自信をもって行うと、このような空間認識能力が上がるようです。述べ545人の4つの実験から、地図や図形を回転するといった空間認識能力が男女間の能力よりも、自信に影響を受けているという結果を得ました。
よく”女性は数学能力が低い”と言われているために、試験の前に”女性であること”を意識させると数学の点数が下がるという性的なステレオタイプについては言われていますが、空間認識能力もそのような影響を受けているんですね。驚きました。
また、「昔は女性は家にいて男性は狩りをしたので、男性の方が空間認識能力が高い」というもっともそうで面白いけど本当かどうか分からない進化心理学的な説明をする人がいますが、もしかするとこういう言動こそが女性の空間認識能力を下げているステレオタイプとなっているのかもしれません。
この記事は以下を参考に書きました。
University of Warwick. "Confidence is key to women's spatial skills." ScienceDaily, 5 Dec. 2011. Web. 7 Dec. 2011.
元の論文情報はこちら。
Zachary Estes, Sydney Felker. Confidence Mediates the Sex Difference in Mental Rotation Performance. Archives of Sexual Behavior, 2011; DOI: 10.1007/s10508-011-9875-5
(文: SY)