2011年12月14日

プレゼントの心理学 オマケはつけるな!

ギフト2(横) - 写真素材
(c) 静流画像素材 PIXTA


クリスマスプレゼントに大事な人にはどういうプレゼントを送りますか?残念ながら、私はもらう予定も渡す予定もありませんが..orz

それでは、高級なカシミアのセーターをプレゼントするのと、彼女(彼氏)が音楽好きなので高級なカシミアのセーターに加えて3000円のCDギフト券をするのとどちらがいいでしょうか?

直感的には後者の方が高価で、もらった方も喜びそうですが、実際には逆です。カシミアのセーターだけを送りましょう。
高価なプレゼントに加えて安価なプレゼントを加えると、相手のプレゼントへの評価が低下してしまいます。このことをバージニア工科大学のKimberlee Weaverとミシガン大学のStephen GarciaとNorbert Schwarzが、プレゼントのパラドックス(The Presenter’s Paradox)として研究をしました。


この研究では、Ipod TouchとiPod Touchに1曲の無料ダウンロードとの価値をそれぞれ見積もらいました。その結果、無料ダウンロードがついている方が価値が低いと見積もられました。つまり、商品を全体として見て、価格を見積もると、その全体のうちの価格の安いものに引っ張られて、全体の価値が下がってしまうように見えるのです。

このことから言えるのは、一人にプレゼントを贈る場合は、あれこれと複数の物をまとめて贈るのでなくて、1点豪華主義で贈る方が効果的ということです。


また、Weaverらの研究では他の実験として、750ドルの罰金と、750ドルの罰金+2時間の奉仕活動と比べると、750ドルの罰金だけの方がより嫌だと感じており。5点満点の評価のプールだけがあるホテルの方が、5点満点の評価のプールに加えて3点の評価のレストランがホテルよりも価値があると感じることが分かりました。

これらの実験も人は全体として評価をするので、2時間の奉仕活動や3点の評価のレストランといった低い価値のものが、750ドルの罰金や5点満点のプールといった高い価値を減らしていると考えられます。

この研究結果はプレゼントだけでなく、商品の販売方法など本当に様々な応用が考えられるし、面白い結果ですね。


なお、以前書いた"気持ちをリセットする簡単な方法"という研究も、Norbert Schwarzのものです。


この記事は以下を参考に書きました。
Virginia Tech. "The paradox of gift giving: More not better, says new study." ScienceDaily, 12 Dec. 2011. Web. 14 Dec. 2011.

Kimberlee Weaverら,2012,The Presenter’s Paradox, Journal of Consumer Research, October 2012(予定)


(文: SY)
posted by さいころ at 08:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 消費者行動
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