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”ヒットの方程式”といった言葉は時折使われますが、実際にあるのでしょうか?
イギリスのブリストル大学のTijl de Bieらのチームは過去50年間のイギリスのトップ40のシングルチャートをscoreahit.com/で調べ、ヒットの方程式を作りました。
曲ごとにテンポや歌の感覚や音の大きさ、コードのシンプルさ、ハーモニーの単純さ、どのくらいノイジーか、などの特徴を調べコンピュータで解析しました。そして得られたヒットの計算式は23の特徴からなります。この結果、楽譜からヒットするかどうかを、60%の正解率で分類できました。詳細な予測の精度については今後の検証が必要になると考えられますが、逆にデータが増えていくので、この程度の精度はあるかもしれません。
ちなみにヒットする曲のタイプについては年代によって変わっていきます。また、同時にこのヒットの計算式の正解率も年代によって代わり、70年代から80年代前半は予測が難しく、90年代は予測が容易でした。これは、70年代は様々なタイプの曲がヒットしていたと考えられます。また、80年代以降は踊りやすい曲がヒットしたり、だんだんと曲がうるさくなってきたといったことがあります。
このように式で何かのヒットを予測するというと、最近文庫になった”その数学が戦略を決める”を思い出します。この本では映画のヒットを予測するといったことが述べられていましたが、こういったものが今後は作曲にフィードバックされたり、譜面を取るシステムに推定値が表示されたりといったようになっていくのかもしれませんね。
この記事はブリストル大学の”Can science predict a hit song?”を参考に書きました。
(文: SY)
心理学の本でなく、この記事のようにたくさんのデータから未来を予測するといった事例がいろいろと載っている本です。オススメです。