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心理学用語で”根本的な帰属の誤り”というものがあります。”根本的な帰属の誤り”はある現象について、個人の性格や能力が大きな原因と考え、その時の状況の影響を小さく見積もるというものです。例えば成功した会社については、社長の性格や手腕が原因と考えて、規制緩和や市場トレンドの影響を小さなものと見ます。
ITバブルの時期にIT社長が、工場への派遣が伸びていた時期に派遣会社の社長が「自分はどうして成功したか?」といった内容の本を出していましたが、その優れた経営者は今はどこに行ったのでしょうか??
また、"確証バイアス"というのは、人は自分の都合の良い情報だけを集めて自分の意見を補強する傾向があるというものです。例えば、”朝礼をする会社は業績が伸びる”という信念を持っている人は、人から聞いた”朝礼をしている業績のいい会社”の情報を熱心に集めて、自分の信念を強化する傾向があります。実際には、朝礼をしていて業績の悪い会社や、朝礼をしていない会社の業績の良い比率を考えなければいけません。
実際にはこの"確証バイアス"に加えて、そもそも朝礼をしたから業績が伸びたのか、それとも業績が悪い会社は朝礼をする余裕がないのかといった、因果関係と相関関係についても検討しなければなりません。
ビジネス書には、個人の経験と印象にあまりにも頼りすぎていて、自分の能力を過大評価した本が多くて残念な気持ちになることがあります。
もし、”朝礼をすると業績が良い”という仮説を主張するならば、
朝礼をして、業績が良い
朝礼をして、業績が悪い
朝礼をしていなくて、業績が良い
朝礼をしていなくて、業績が悪い
という4つの考察と、”朝礼→業績”のつながりの実証的なデータを持ってきて主張してもらいたいものです。
最近は良い本を書く人も増えてきたので、このようなバイアスに負けない本を書いてもらいたいです。
(文: SY)
ブログ名:「Funny Restaurant 犬とレストランとイタリア料理」
こんにちは。心理学では他人の行動をしっかり評価できない人は、「根本的な帰属の誤り」をしているとして、原因を明らかにしています。ただし、原因を明らかにするだけでなく、それに対する対処法を明らかにする必要があります。それに関しては、優秀なマネジメントのやり方が、参考になります。まともな組織のマネジメントは、、「人の強み」に着目するということで、これを解消してきており、成功しています。このような原則を当てはめている組織は、これからも、「根本的帰属の誤り」に影響されることなく、発展し続けていくし、そうではない企業は淘汰されると思うのは、私だけでしょうか?詳細は、是非私のブログ御覧になってください。
それから、朝礼に関してはまた別の側面があると思います。特に、営業所などでは、マネジメントを徹底する必要があります。朝礼程度のこともきちんと徹底できない営業所など、他のことも徹底がでかないはずです。であれば、朝礼なども、徹底度合いの目印になることは確かです。だからといって、朝礼をやれば必ず、業績があがるとはいえないですが、朝礼もまともにできない組織は、業績をあげることはできません。
たしかに心理学では、「基本的な帰属の誤り」についての知見はあっても、それ元に企業でどのような対処をするかは伝えてくれないので、yamada様がおっしゃるような経営学的な視点が必要でしょう。ドラッカーに代表されるような強みに集中するというのがひとつのアイデアだというのは説得力があります。
また朝礼については、朝礼をまともにできない組織は業績をあげることはできない、というテーゼについては能力としてはそうかもしれないとは思います。それでは、AppleやGoogleといった組織や、P&Gや3Mといったレジェンド的な組織は朝礼をしているのでしょうか、という疑問が頭によぎります:->
(やっていたらごめんなさい。経営については不勉強でして)
ちなみにホームページは拝読させていただきました。面白いですね!これからも読ませて頂きます!