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多くの脊椎動物では、メスはオスの赤に惹かれることが分かっています。赤というのはメスにとっては高いステータスを持っているのです。
たしかに、人間でも赤は高いステータスを持つ人が着るイメージがあります。例えばキリスト教の枢機卿は赤を着ることで知られています。また、日本ではシャア・アズナブルのイメージカラーとしても知られています。
それでは、赤い色は人間の女性にも魅力的なんでしょうか?
赤い服を着ると3倍の魅力度とはいかなくても、やはり魅力はあがるようです。ロチェスター大学のAndrew Elliotらの実験では、白いワイシャツと赤いワイシャツを着た男性のモノクロの写真の魅力度を、アメリカで21人の女性に判断してもらい9段階の評価をしてもらいました。その結果が以下です。

これを見て分かるように、赤いシャツの方が魅力度が高いことがわかりました。9段階評価で約1上がるというのはかなりの差と言えます。
次にイギリスで25人の男性と32人の女性に同じ男性の写真で実験をしました。ただし、今度は5秒だけ写真を表示したものです。その結果が以下です。ちなみに結果は、男性が評価した場合と女性が評価した場合で分けています。

これを見て分かるように、赤シャツは女性にとっては魅力的でも、男性にとってはむしろマイナスなのです。つまり、シャツを選んでいる本人はその魅力に気づかないということが分かります。
ここで紹介した実験は、白黒の写真のものですが、実際の論文ではカラーの写真の実験も行なっています。また、白シャツだけでなく他の色でも行なっています。また、実験の評価者もアメリカとイギリスだけでなく、ドイツや中国で行なっていましたが、同じ傾向がありました。つまり、モテには赤なのです。
この記事は以下の論文を参考にしました。
Andrew Elliotら, 2010, "Red, Rank, and Romance in Women Viewing Men", Journal of Experimental Psychology: General 2010, Vol. 139, No. 3, 399–417
(文: SY)
モノクロ写真でも赤ってわかるものなんですか??
たしかに、モノクロでは、白か赤かはわかっても、赤と緑の区別などは分かりません。この論文中では、モノクロの実験のあとに、カラーで、赤と緑、赤と青といった実験をしているので、そこで詳細化しています。ただし、この紹介では、分かりやすい結果の赤と白だけしています^^;;