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ノーベル経済学賞をとったカーネマンとトヴァスキは行動経済学者というもので知られています。行動経済学というと一見経済学のようですが、内容はほとんど心理学といってもいいです^^;;
ここでは二人の研究からアジア病気問題として知られる有名な研究を紹介します。
問題1.アメリカで、アジアの謎の病気が流行して600人が感染しました。ここで病気への対処として以下の2つのどちらを選択しますか?
プログラムA 200人が助かる
プログラムB 1/3の確率で600人が助かって、2/3の確率で誰も助からない。
皆さんなら、プログラムAとBどちらを実施しますか?そして、よく似た次の問題はどうでしょうか?
問題2.アメリカで、アジアの謎の病気が流行して600人が感染しました。ここで病気への対処として以下の2つのどちらを選択しますか?
プログラムC 400人が死ぬ。
プログラムD 1/3の確率で誰も死なない、2/3の確率で600人が死ぬ。
この場合はどちらを実施しますか?
この2つの問題は論理的には全く同じものですが、問題1は”利益を選ぶ問題”、問題2は”損失を選ぶ問題”のように読めるようになっています。そして、プログラムAとC、BとDは全く同じ選択です。
これを実験すると、問題1では72%の人がプログラムAを選び、28%の人がプログラムBを選びました。一方、問題2では22%の人がプログラムCを選び、78%の人がプログラムDを選びました。
つまり、人は問題1の”利益を選ぶ問題”では利益が手に入らないというリスクを回避し、問題2の”損失を選ぶ問題”では損失を回避する(損失を0にしたがる)傾向があるのです。
人はこのような傾向に何がしかの形で縛られています。会社などでの意思決定でも、このようなバイアスの影響下にあることを認識して意思決定をしないといけません。
また、このようなリスク回避志向のために、保険をかけすぎる傾向があるということを、以前、”保険は控えめに”という記事で書きました。こちらもどうぞ。
この記事は以下の論文を参考にしました。
TverskyとKahneman, 1981, The framing decisions and the psychology of choice, Science, Vol. 211, p.453-458
(文: SY)

