2012年01月27日

フェイスブックもべき乗則

フェイスブックのネットワーク.jpg

べき乗則というのはご存知でしょうか?以前、サイコロニュースで”世界は意外とべき乗則?さいころニュースのアクセス解析から”という記事を書きました。これは、さいころニュースへ訪れる検索キーワードがべき乗のグラフになるというものです。


こんな感じのグラフですね。

べき乗.jpg


さて、イタリアのメッシーナ大学のEmilio Ferraraの研究は、2つのアルゴリズムを使って、フェイスブックの何百万人のつながりを解析したものです。

この研究では、フェイスブックのコミュニティが”べき乗則”になっていることが分かりました。ほとんどの人は少数の人とつながっていますが、少数の人は多くの人とつながっています。例えば、100人もコミュニティが1000個あるとすると、200人のコミュニティは500個、400人のコミュニティは250個というのが”べき乗則”です。なお、実際にはこのべき乗の指数は約0.4です。

また、フェイスブックでの人とのつながりも”スモールワールド”の法則に従っているようです。”スモールワールド”は6次の隔たりとしても知られているものです。知人の知人の知人の知人の知人の知人と6段階経るとほとんどの人がつながるのです。実際に6次のつながりを使えば、アメリカの大統領や、日本のほとんどの有名人につながることもできます。これは、多くの人を知っているハブという人がいることで、ネットワークの全体の大きさ(一番離れた人との隔たり)が小さくなっているためです。


以前の記事でもオススメしましたが「べき乗則ってどんなの?」という方は悪魔の妄想さん”フラクタルビスケット、ポアソンスパゲッティ”がオススメです。同じく”べき分布のメカニズム”は少し理論的な話ですが、こちらも分かりやすいです。

この記事は以下を参考に書きました。
Inderscience (2012, January 25). Facebook is a community. ScienceDaily. Retrieved January 27, 2012, from http://www.sciencedaily.com- /releases/2012/01/120125091053.htm

また、元の論文情報はこちらです。
Emilio Ferrara. Community structure discovery in Facebook. International Journal of Social Network Mining, 2012; 1 (1): 67 DOI: 10.1504/IJSNM.2012.045106
http://www.inderscience.com/storage/f110683111272594.pdf


(文・絵: やまざきしんじ)

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