2012年02月09日
ストーリーを売れ: ”入り込んで”説得する
説得の心理学の研究は、ストーリーを使うことでより人を説得できることを示しています。
マーケターは、昔からストーリが説得の強力な武器であることを知っています。それは何故か、その一部はすぐに分かることです。
政治家は世界のビジョンのストーリーを語って、人々を説得します。彼らは、経済統計を滔々と述べることもできますが、しかし普通は壮大な物語を伝えるためにのみ数字を使います。
私たちは直感的に、するべきことについて言われるよりも、ストーリーの教訓話に反応します。そこで、私たちは、”知人の誰か”についてのちょっとしたストーリーで、相手を説得しようとします。そして、私たちは教訓を分かりやすくするために、話を単純にして、そして飾り立てます。
ハマり込む力
GreenとBrock,2000の研究では、ストーリーを語ることで人を説得しようとすることは、実際に有効と分かりました。それではなぜでしょうか?もし理由が分かれば、もっと説得できるようなストーリーを作れるのではないでしょうか。
ストーリーは語られると、人はその中にハマり込んでしまうため、説得力があるのです。
ハマり込むことがキーポイントです。一旦、ストーリーの中に入り込むと、私たちは自分の日常の経験との違いに気づかなくなります。
例えば、ご都合主義の大作のハリウッド映画を見ていると、現実とは違っていたとしてもどんな問題でも頑張ればなんとかなると思ってしまいます。
また、ストーリーに集中すると、人は自分が説得されていることに気づきにくくなります。説得のメッセージが、警戒網をかいくぐって届いてしまうのです。
ThompsonとHaddock,2011の研究によると、特にストーリーに説得されやすい人は、感情的な局面を探す人と、考えることを楽しむ人です。
感情的な要素があるストーリーは、最終的に感情的な満足を呼び起こします。一方、ストーリーのプロットの複雑さは、脳みそを高速回転させることで人を引きつけます。
感情か思考のどちらかを通して、ストーリーは説得力を増すのです。ストーリーの感情的な部分や意味が、相手が説得しようとすることを忘れてしまうのです。
より良いストーリーを作る
説得力の高いストーリーは、相手をひきつける必要があります。GreenとBrock,2005の著書によると、魅力的で説得力のあるストーリーには多くの要素があります。
・アイロニーやメタファーのような文芸的なテクニックは、陳腐な日常を新しく新鮮なものにします。読み手を、平凡な日常から引き話すのです。
・比喩的な描写は、ストーリーが読者に”入っていく”ために重要なものです。
・サスペンスは、読者が次に何が来るかを期待させるための、もっともよくある手法です。
・もし、あなたが誰かの行動を変えるならば、あなたはそれをモデルにします。ストーリーの中のキャラクターは、こうなって欲しいという人でなければなりません。
ストーリーがどのように人に影響を与えるかというインスピレーションは、お気に入りの小説、TVドラマや映画の中にあります。ストーリーが本当の話かどうかは関係なく、人はフィクションからでも同じように説得されます。
あらゆる種類の斬新な応用例があります。ハーバード大学医学部の医者では、患者を人間的に扱うためにストーリーや小説を読みます。弁護士は、法廷での説得にストーリーを使います。テレビでの健康番組では、分かりやすいストーリーで健康について語ります。
ストーリーを通した説得は、昔からずっと行われてきました。あなたのストーリーはどういうものですか?
この記事は、PSYBLOGの"Why Stories Sell: Transportation Leads to Persuasion"を翻訳したものです。
(翻訳・絵: やまざきしんじ)
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