2012年02月13日
面接の心理学
面接では、自分をどう見せるのがいいのでしょうか?大きく分けると2つの戦略があります。
1.”そのままの自分を見せる”、自分の正確な姿を見せる戦略
2.”自信をもった自分を見せる”、ポジティブな主張をする戦略
バージニア大学のElizabeth TenneyとBarbara Spellmanの研究は、水泳チームの候補者を選ぶという実験と、会社の候補者を選ぶという実験の2つからなり、それぞれ76人、93人が候補者を評価するというものです。
この実験によると、”自信をもった自分を見せる”人は、”そのままの自分を見せる”人よりも、最初は評価が高いのですが、スキル開示をして主張との違いが見つかると評価は下がります。
これは面接のヒントを与えてくれるでしょう。この結果は、評価者は候補者の主張を基本的にそのまま信じるが、もし主張の間違いがみつかればそれに応じて評価を修正するということを示しています。
つまり、”そのままの自分を見せる”よりも”自信をもった自分を見せる”の方が良い戦略ということです。これは面接では、すべての能力がバレるわけではないので、ほどほどのハッタリならバレない可能性が高いし、また、バレた時でも、正確な主張sをしていた人との評価の差はあまりないからです。もちろん、ハッタリがバレると、正確な姿を見せている場合よりは評価が下がるので、ほどほどにするのがベストな戦略です。
”自信を持った自分”が最初高く評価されるのは十分に理解できますが、その後への評価の低下は意外に小さいというのが感想です。ある意味”はったり勝ち”な部分がありそうですね。それでも、”バレない”に越したことはないので、あまりにも大風呂敷を広げてはいけないが、バレたペナルティもそれほどではないということでしょうか。
この記事は以下の論文を参考に書きました。
Elizabeth R. Tenney and Barbara A. Spellman, 2010, "Complex Social Consequences of Self-Knowledge", Social Psychological and Personality Science 2011 2: 343,DOI: 10.1177/1948550610390965
(文・絵: やまざきしんじ)
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