2012年03月21日
ナルシシズムの養殖場
最近はフェイスブックを使う人も増えてきました。Mixiやフェイスブックのつながりで仕事をもらうこともあるんじゃないでしょうか?
一方で、最近は有名人でもないのに、
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といったことを自己紹介に書く本当に素敵な人も増えてきました。
こういうのはなんなのでしょうか?
西イリノイ大学のChristopher Carpenterの研究は、フェイスブックとナルシシズムに関する研究です。この研究は292人を対象としたもので、フェイスブックの使用とナルシシズムに関して調べました。
この研究では、近況の更新や自分の写真をアップロードするといった行動はナルシシズムと相関があり、自尊心とは相関が無いこと。また、コメントが貰えなかったり、ネガティブなコメントがついた時に怒るといった行動もナルシシズムと相関があり、一方で自尊心が高い人は怒りづらいことが分かりました。
このようにナルシシズムには、自分をアピールする自己顕示と、相手に何かを要求する搾取という2つの面があると考えられます。自己顕示というのは、外見・知性・権力などのうぬぼれや優越性といったものに関連しています。この自己顕示は女性の場合は、自分の写真をアップロードするといった形で表れることが多く、男性の場合は文章で行うことが多い傾向があります。
搾取というのは、自分は尊敬を受けるべきである、自分には多少のズルは許される、といった社会において自分は特別であると考える傾向です。自分のことは棚上げしておいて、思い通りにいかないと相手への批判を繰り返すといったこともソーシャルネットワークでは見かけられるのではないでしょうか?
ナルシシズム傾向を下げるというのは難しいかもしれませんが、ナルシシズム全開というのはあまり美しくないものです。もちろんナルシシストは「自分は特別」と思ってるので、「いや、僕は謙虚だよ?」とか思ってるでしょうが...
この記事は、自戒を込めながら。
この記事はthe guardianの"Facebook's 'dark side': study finds link to socially aggressive narcissism"を参考に書きました。
また、以下の論文も参考にしました。
Soraya Mehdizadeh, 2010, "Self-Presentation 2.0: Narcissism and Self-Esteem on Facebook", CYBERPSYCHOLOGY, BEHAVIOR, AND SOCIAL NETWORKING Volume 13, Number 4, 2010, DOI: 10.1089=cyber.2009.025
(文・絵: やまざきしんじ)
この本はとても面白いです。そして同時に、この社会的なナルシシズム傾向とソーシャルメディアの相性の良さに恐ろしくもなります。
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