
カリスマは生まれついてのものなのでしょうか?それとも後から身につけられるのでしょうか?”カリスマ入門”という本では身につけられるスキルとなっていますが、”カリスマ入門”は”いわゆるカリスマ”を茶化した本ですし、実証的な研究に基づいた本でもありません。
たしかに、定期的にフェイスブックに
「会社人間や社畜はかっこ悪いと言われているが、それでも俺は毎日全速力で仕事をするんだ!!もちろん家庭も大事にする。みんなに無理と言われても、絶対にあきらめない!!」
とポストし続けていればカリスマっぽくは思われそうです。でも、それは本物のカリスマ性じゃなくて、単なるカリスマアピールですよね。
このカリスマが向上するかの研究をフランスのローザンヌ大学の John Antonakisらが行いました。これは34人のマネージャーを対象にしたものです。最初に被験者のマネージャーは360度評価でリーダーシップとカリスマを評価されます。1ヶ月後に半分のマネージャーの17人はカリスマ向上の教育を受けます。そして教育の3ヶ月後に、再び360度評価を受けます。
するとカリスマ向上の教育を受けたマネージャーはカリスマが向上していましたが、教育を受けていない人はそのままでした。つまり本物のカリスマ性も身につけられるということです。
それでは、どういったことを身につければいいのでしょうか?
この教育では、カリスマになるための手法として、
・メタファーを使って話す
・ストーリーで伝えたり、史実を話す
・倫理的な信念を見せる
・みんなと感情を分かち合う
・高い期待を設定する
・相手に信用していると伝える
・コントラスト、様々なものの数え上げ、自問などのレトリックを使う
といったことを挙げています。
今、よくカリスマとしてスティーブ・ジョブズやバラク・オバマが挙げられます。彼らのスピーチを見ると、たしかに凄いと感じます。そして、やはりカリスマ性は身につけることができるようです。
この記事はBPS Occupational Digestの"Charisma involves teachable behaviours"を参考に書きました。
(文・絵: やまざきしんじ)
John Antonakisのビデオがありますので貼っておきます。
以下は(薄い)カリスマを茶化した素敵な本です。