2012年04月10日
ナルシストは面接に強い?弱い?
先日書いた”面接の心理学”では「自信を持った自分を見せる」戦略が面接において有効ということを書きましたが、今度は面接とナルシシズム(自己愛)の関係についての研究をネブラスカ大学リンカーン校の Peter Harmsらが行ったので紹介します。
Harmsらの研究は「自分はすごい」と自己アピールを強く行うようなナルシストが就職面接でどう行動するか、そしてどう扱われるかを2つの実験から明らかにするものです。ナルシストは面接ではより強く自己アピールを行うと考えられますが、実際はどうなんでしょうか?
1つめの実験では、72人の被験者に就職面接を模した面接を行いました。
この実験で、厳しい面接官はアピールに対して「その証拠」を求めます。例えば「営業として、トップの成績をとった」というならば「どのような方法で営業をしたか、どういうお客さんからどのくらいの成約をしたか」といったこと尋ねます。
このような「証拠」を求められる面接官に対しては、ナルシストじゃない人は”あまりアピールをしない”という戦術をとりますが、ナルシストはこのような面接官に対してはより強く自己アピールをするという戦術を行います。つまり、ナルシストは「証拠」を求められても強くアピールする”本物”に見えて、ナルシストでない人は「証拠」を求められると一歩引く”偽物”に見えてしまうのです。
2つめの実験では、222人の評価者が同じような仕事のスキルで様々なナルシシズムのレベルの面接者を評価しました。
この結果、評価者は自己アピールをする人をとても高く評価しました。笑顔でジェスチャーが多く、すぐに大量に話すようなタイプの人です。つまり、仕事のスキルが同じ場合は、ナルシストを高く評価してしまうということです。
この2つの実験はとても面白い結果です。職種にもよりますが、同じスキルレベルならば、当然ナルシストよりもナルシストでない人を採用する方がいいでしょう。もし、人を面接するならば、このような傾向があることを知った上で、相手のナルシスト具合を判断して、ナルシストは割り引いて評価するように注意しないといけないということです。
就職(転職)面接でなく、給料交渉に関してですがこういった記事を以前書きました。面接の際には参考になるところがあると思います。
給料交渉の10の方法
女性は交渉をあまりしない?
この記事はnewswiseの"How Do I Love Me? Let Me Count the Ways, and Also Ace That Interview"を参考に書きました。
(文・絵: やまざきしんじ)
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