2012年05月16日

クリエイティビティは静寂から生まれない?

創造性にはノイズ.jpg

読書をするのに電車の方がはかどる人は多いのではないでしょか?また、仕事も静かすぎる会社よりも、カフェなどの方が集中できるという人もいるのではないでしょうか?

今回は、クリエイティビティという視点から見て、どういう環境で仕事をするのがいいかを見て行きましょう。


イリノイ大学のRavi Mehtaらの研究によると、周囲の雑音がクリエイティブな認知に影響を及ぼします。これは、当たり前に思えますよね。直感的には静かな方が集中して、クリエイティブになれそうです。あれれ?電車やカフェも集中できそうです。正解はどっちでしょうか?

この答えは、研究によると、ほどよい雑音がクリエイティブな問題解決に役立ちます。

研究によると、70デシベル程度の高速道路を車で走っている位の雑音が、クリエイティブな作業を一番はかどらせるようです。一方、85デシベルの、大きな道路の横にいる騒音レベルでは、情報処理のプロセスを邪魔してしまうのか、クリエイティビティを損なってしまいます。

このことは、ほどよい雑音が思考プロセスに影響を与え、集中しすぎない”自分の箱から出る”思考を助けるためと考えられます。しかし、雑音が大きすぎると、思考自体を邪魔してしまい、クリエイティビティを損なってしまいます。


さらに、雑音は自分のクリエイティビティを高めるだけでなく、よりクリエイティブな商品を選択させる効果があるようです。クリエイティブな商品を売る場合には、静かな場所ではいけないようです。

ただ、お店の場合は、ノイズのレベルが高い方が顧客を興奮状態にして冷静な思考を麻痺させるという効果もありますし、またブランドイメージとの兼ね合いもあります。


言われてみれば、集中しすぎるとクリエイティビティが損なわれるというのはありそうなことですが、静かなところよりも少しざわついたところの方がクリエイティブになれるというのは面白い結果ですね。

この記事はイリノイ大学の”Research: Too much, too little noise turns off consumers, creativity”を参考に書きました。


(文・絵: やまざきしんじ)
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集中できる環境
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