2012年05月22日

「安全、安心な携帯」、「いつも興奮の携帯」どっちの広告がいい?

広告は性格による.jpg

カナダのトロント大学ロットマン校のJacob Hirshらは、適切な広告と性格特性の関係を研究しました。これは、324人の被験者を対象としたものです。

この研究では、性格特性ごとに効果的な広告が違うことが示されました。例えば外向的な人には「XPhoneで、いつも興奮を手に」といった広告が効果的ですが、神経症傾向がある人には「XPhoneは、安全で安心」といった広告が効果的です。つまり性格特性ごとにアピールするポイントが違うのです。

言われてみれば当たり前のことですが、この研究では年齢や職業などの属性だけでなく、性格特性によっても広告がターゲティングされないといけないということを示しています。


これは2つのことを示しています。1つめには、やっぱり広告作成側には受け手の気持ちは分からないということです。当然、性格特性は人によって違いますので、自分の視点でしか広告の評価ができません。

2つめには、広告の評価には実際の顧客に尋ねる必要があるのですが、その数は意外とたくさん必要かもしれないということです。単に、特定の年齢・職業といったバリエーションだけでなく、様々な性格特性についても考えないといけないということです。

逆に広告効果のアンケートをした際には平均値を見るのでなく、このように性格特性ごとに評価を分析することでより効果的な広告ができそうですね。


この記事はAssociation for Psychological Scienceの"Marketing Is More Effective When Targeted to Personality Profiles"を参考に書きました。


(文・絵: やまざきしんじ)
posted by さいころ at 11:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 消費者行動
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