2012年05月31日
存在しない市場は分析できない
心理学のニュース以外にもまとまった文章を少し書いて行きたいので、少々書いていこうと思います。
もし、あなたが「新しい自動車を開発しろ」と言われたら、どうやって開発するでしょうか?様々な自動車の試作品を作って、お客さんに触ってもらうんでしょうか?それでは、どうやってその”様々な自動車の試作品”を開発するんでしょうか?
お客さんに「どういう自動車が使いたい?」と聞いて回りますか?それとも自分で好きな自動車を作りますか?
私が商品開発をした時は「自分が好きなものを作る」ことを重視して企画・開発しました。商品設計で悩んだら「自分が欲しいものはどういうものか?」を考えて決めていました。自分の欲しいものとお客さんに受け入れられるもののバランスは取らないといけませんが、あくまでも自分で欲しいものを新しく作るということが大事なことだと思います。
もし、海を知らない人に海水の使い道を考えてもらうと、どのようなアイデアが出てくるでしょうか?海水自体を分析すれば、海水が塩水からなっていることは分かります。海水を蒸留して塩を作るといったアイデアが出るでしょうが、海水をいくら分析しても「海水でくらげを飼う」というアイデアは決して出て来ません。海水をいくら分析しても、海水にはくらげが含まれていないのです。
新しい自動車を作る時も同様なことが言えます。これまで世の中に出ている自動車の問題点をリストアップすれば、それなりにいいものができそうです。しかし、このような考え方では、7人乗りで、高性能のエンジンで、しかも燃費がよくて、荷物がいっぱい載せられる、オープンカーを開発といった決定になりそうです。売れなさそうな気がしますが、実際に作ったらすごく高価な商品になりそうです。
結局、これまでの自動車をいくら分析しても、そこから新しい自動車は生まれないのです。
それでは、分析じゃなくてどういう手法なんでしょうか?その答えは、”結合”です。複数のものを組み合わせることで新しいものが生まれていきます。「カセットデッキ」と「持ち出す」を組み合わせることで「ウォークマン」は開発されましたし、「地雷除去ロボット」と「掃除機」を組み合わせることで「ルンバ」は生み出されました。
「カセットデッキ」を「持ち出す」のは考えれば出てきそうなアイデアですが、「地雷除去ロボット」を「掃除機」にするにはどのような方法があるんでしょうか?このキーワードは、発散思考です。アイデアを発散させていくのです。そのための最も有効な方法は、「なるべく多くのアイデアを出す」です。「たくさん出す」を意識することが大事なのです。
「たくさん出す」以外の方法はどういったものがあるのでしょうか?
それは次の記事で。
(文: やまざきしんじ)
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