2012年06月06日

アルコールを飲むと魅力的?

飲むと魅力的.jpg

アルコールを飲むと魅力的になるのでしょうか?それとも、アルコールを飲んだと思うと魅力的になるのでしょうか?


(実際は特に魅力的にはならないので、自己評価の話です)


フランスのグノーブル大学のLaurent Bègueらの研究は、これを明らかにするものです。この研究は2つの調査からなります。

1つめの調査は酒場の調査での19人を対象としたものです。この調査では、お酒をたくさん飲んだ人は、より自分を魅力的と考えていることが分かりました。飲めば飲むほど、自分が魅力的と感じるみたいです。


2つめの研究では、94人の被験者が、偽のテイスティングを行います。このテイスティングでは、被験者はアルコール飲料かノンアルコール飲料かどちらかを飲みます。この時、それぞれのメンバーの半分は、アルコールを飲んだと思わされ、残りはアルコールを飲んでないと思わされています。つまり、被験者は、アルコールを飲んだ・飲んでいない、というのと、飲んだと思ってる・飲んでないと思ってる、という2つの条件に分かれているのです。


この後で被験者は、スピーチをします。その後、自分のスピーチがどのくらい魅力的で、楽しいものだったと思うかを質問されます。

すると、自分がアルコールを飲んだと思っている人は、自分のスピーチをより魅力的と評価しました。つまり実際に飲んだかどうかでなくて、飲んだと思ってるかどうかが大事なのです。ちなみにこの演説のビデオを別の人が評価しましたが、その結果は、アルコールを飲んだかどうか、アルコールを飲んだと思っているかどうかと、スピーチの魅力は関係がありませんでした。


つまり、人は実際にお酒を飲むかどうかでなく、お酒を飲んだと思っているかどうかで魅力の自己評価が変わっているんですね。面白い研究です。


この記事は以下の論文を参考にしました。
Laurent Bègueら, 2012, "‘Beauty is in the eye of the beer holder’: People who think they are drunk also think they are attractive", British Journal of Psychology. , DOI: 10.1111/j.2044-8295.2012.02114.x


(文・絵: やまざきしんじ)
posted by さいころ at 09:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 消費者行動
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