iPadが発売されてから約2年2ヶ月ですが、現在タブレットPCは”価格.com”で検索しただけでも119の商品(同一製品の別モデルや色違いも含みます)があります。実際に家電量販店に行っても、かなり多くの商品が棚に並んでいるのではないでしょうか?
このような商品サイクルは昔よりも早くなっています。以前は、2年間ごとに出ていた電化製品の商品開発サイクルも、今は1年やそれ以下になっています。
また商品サイクルが早くなるだけでなく、それぞれの分野の商品数もどんどん増えています。以前は各商品で3モデルくらいしかなかったのですが、例えばパナソニックの家庭用の電子レンジは、現在15種類あります。さらにモデルによって色違いもあります。
これは何を意味するでしょうか?
これは利益の機会もどんどん減っていることを意味します。
タブレットPC市場はわずか2年で20社以上のメーカーがひしめき合う市場になりました。新しい市場が出来ても、あっと言う間にメーカー間の競争が激化します。
また、以前は同じ市場で3種類のモデルだけ売っていればすんでいたのが、15種類のモデルを投入すると商品開発や在庫の分だけ利益が減ります。
経済学では「フリーランチはない」という有名な言葉がありますが、市場のフリーランチは以前と比べても急速に減りやすくなっています。
これに負けないためにはどうすればいいのでしょうか?2つの考え方がありますが、方向性は似ています。1つめは、新しい価値をどんどんと生み出していくことです。もう一つは、新しいニッチをどんどん探していくことです。他のメーカーが参入してきても、市場の中に隙間はあるので、その隙間を常に探して移動していくことです。
大事なことは、常に逃げ続けることです。隙間は実際には存在しないものなので、新しい価値を持った商品が隙間を創りだしていきます。
そのためには商品をこれまでの延長でなく、新しい価値を創り続ける必要があります。新しい価値を創ることで、市場のニッチに逃げ続けます。
ニッチは隙間ではありますが、適切な隙間は同時にどんどんと生成されていきます。つまり、適切な(≒ニーズのある)ニッチならば、単なる小さな隙間でなく、大きく広がる可能性があるのです。
コンピュータもコピー機もトランジスタも最初はたくさん売れるとは思われていないニッチ製品だったのですが、実際にはたくさん売れ。次第に、ニッチ市場という言葉ではまとめられないほどの市場規模となりました。つまり、適切なニッチはニッチでありながらも、市場を引き伸ばしていくのです。
では、どうやってニッチ市場にあう製品を創るのでしょうか、そのために必要なものが、創造性と顧客の観察の2つです。この2つを駆使して、新しいニッチに逃げ続けていく必要があります。
(文: やまざきしんじ)
2012年06月10日
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