2012年06月14日
収入増えても幸せにならない人
ワーウォック大学のEugenio Protoaとミネソタ大学のAldo Rustichiniの研究は、性格特性と収入と生活への満足度に関するものです。
これはイギリスでのBritish Household Panel Survey (BHPS)の1996-2008年のデータとドイツでのGerman Socioeconomic Panel Study (SOEP)の1984-2009年のデータ元に分析をしたものです。
このデータの解析結果から、神経症的傾向が高い人は、収入が増えても満足しないことが多いことが分かりました。神経症的傾向というのはビッグファイブという心理学でよく用いられる性格検査で使われる性格特性の1つで、心配性だったり、抑うつ傾向が高かったり、ストレスやプレッシャーに弱かったりするような傾向です。ウッディ・アレンの映画で、よくウッディ・アレンが演じてるキャラクターが分かりやすいですね^^;; 心配性でひがみっぽくて、細かいことを気にして、他人の目をとても気にしているような人をイメージするといいですね。
この調査では、このような神経症的傾向が強い人は収入が増えても満足しない傾向がありましたが、収入が少ない人は収入が増えれば満足度が上がっていました。しかし、収入が多い人の場合は、収入が増えても自分が思ってたほどでないためか、満足度が下がることさえあります。高収入の神経症的傾向が強い人は、自分が作った罠にハマってしまうのか、収入が増えてすら人生の満足度が上がらないことがあるということです。
通常は、収入が増えると人生への満足は増えていきますが、神経症的傾向の強い人だけは例外のようです。
この記事は以下を参考に書きました。
University of Warwick. "More can mean less when it comes to being happier, especially if you are neurotic." ScienceDaily, 9 Jun. 2012. Web. 14 Jun. 2012.
この記事は以下の論文も参考にしました。
Eugenio Protoaら. "Life Satisfaction, Household Income and Personality Traits." CAGE working paper, n.86, presented
(文・絵: やまざきしんじ)
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/56466172
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。
この記事へのトラックバック
http://blog.sakura.ne.jp/tb/56466172
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。
この記事へのトラックバック