2012年06月18日

スリーグッドとはちがう、幸せになる方法

特性伸ばしてでハッピー.jpg

ポジティブ心理学は最近流行っています。ポジティブ心理学の権威であるマーティン・セリグマンが提唱しているスリーグッド(毎日、その日あったいいことを3つ挙げる)というのは私の周りでも流行っていますし、ツイッターでも #3good といったハッシュタグでその日あったよかったことを書いている人がたくさんいます。


スイスのチューリッヒ大学のRene Proyerらの研究は、人の強みとなる特性にフォーカスをして、人生の満足度を向上させられるか調べたものです。この研究では、”楽観主義”や”好奇心”などの特性を練習することで向上させ、その結果として、人生への満足度が上がっているかを調べました。

この研究では、チューリッヒ強みプログラム(Zurich Strength Program Z.S.P.)というプロジェクトを通じて、178人の成人を対象としました。この研究では被験者を3つのグループに分けて、1つめのグループは”好奇心”、”楽観主義”、”ユーモア”、”熱意”の練習を4-8週間行いました、2つめのグループは”創造性”、”優しさ”、”学習欲”、"洞察力”の練習を4-8週間行いました。3つめのグループは何もしませんでした。

ちなみに練習というのは、大事な人に感謝の言葉を書くといったこと、新しい人に会うこと、優しくした回数を数えるといったことをするように言われ、毎日このようなトレーニングのセッションを行います。


この研究では、実際に練習を通じてそれぞれの特性が向上しているのが分かりました。また、1つめの”好奇心”、”楽観主義”などを練習したグループは、人生への満足度があがりました。つまり、人の特性にフォーカスして、人を幸福にできたのです。


スリーグッドとは違って、この研究のように強みになるような特性にフォーカスをして人生への満足度を向上させるというアプローチは、人の幸福感についてさらに示唆を得るものではないでしょうか?今後は、このような詳細な方法や分析によって、ポジティブ心理学の研究がさらに深まっていくのではないかと思います。


この記事は以下を参考に書きました。
René Proyerら, 2012 "Testing strengths-based interventions: A preliminary study on the effectiveness of a program targeting curiosity, gratitude, hope, humor, and zest for enhancing life satisfaction.", Journal of Happiness Studies (in press). doi:10.1007/s10902-012-9331-9


(文・絵: やまざきしんじ)

あれ?Amazonで新品が品切れなんですね(2012/6/18現在) この本は超オススメです。


posted by さいころ at 13:01| Comment(0) | TrackBack(0) | メンタルヘルス/幸福
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