2012年07月02日

人気のカードはどのカード?

トランプの心理学.jpg

トランプのカードと言われて思い出すのは、どのスート(種類)のどのカードですか?


ある程度の年代の人なら、キャンディーズの「ハートのエースが出てこない」という歌のサビを思い出すかもしれません。

それでは、「この52枚のトランプから一枚だけ選んで伏せて下さい」と言われたら何を選びますか?


カナダのサイモンフレーザー大学のJay Olsonらの研究は、ジョーカーのない52枚のトランプがどのように好まれ、そして覚えられやすいかというものです。

この研究によると、ナダのブリティッシュコロンビア大学の大学生96人の被験者に1/10秒だけカードが提示された時、被験者が一番識別したものは、スペードのエースでした。そして、次にスペード以外ののスート(種類)のエースでした。また、エース以外にも、スペードは見やすいという結果になりました。また、0.25秒だけカードを表示していき、覚えられやすいカードを調査すると、やはり一番覚えやすいのがスペードのエースで、次にスペード以外のエースが覚えられやすかったです。また、JQKという図柄のカードは覚えられにくかったという結果になりました。


また、48人の被験者に2つのカードからどちらのカードが好きかを調べる調査では、一番好まれたのはハートとスペースのエースでした。また、スートとしては、ハート、そしてスペードが好まれている事がわかりました。また、女性は2や3といった数字の小さなカードを男性よりも好むことが分かりました。

また、オンライン、およびオフラインで、「任意のカードを選んでもらう」という実験では、一番選ばれたのはスペードのエースでした。また、ハートのエース、クイーン、キングも人気のあるカードでした。一方、一番選ばれなかったのは6で次に5でした。

なお、詳細なデータは"Psychology of Magic"のページに詳しいです。論文や各カードごとのデータも読めます(英語ですが)


トランプのカードの研究というのはあまり心理学っぽくないですが、手品の心理学という切り口で研究しているのは面白いですね。

この記事は以下の論文を参考に書きました。
Olson J A., Amlani A. A., Rensink R. A. (2012). Perceptual and cognitive characteristics of common playing cards. Perception, 41(3), 268–286. doi:10.1068/p7175

(文・絵: やまざきしんじ)
posted by さいころ at 09:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 消費者行動
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/56821999
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック